マカオで今年初の在郷軍人病感染者確認…患者は喫煙習慣があり慢性疾患持つ45歳マカオ人男性、潜伏期間中に家人と中国広東省渡航歴

 マカオ政府衛生局(SSM)は1月11日夜、マカオで今年(2021年)初めての在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表。

 SSMが発出したプレスリリースによれば、患者は喫煙習慣があり慢性疾患を持つプライベート運転手のマカオ人男性(45)とのこと。1月5日に発熱などの症状が現れたため、複数回にわたって私立のクリニックを受診。その後も症状が収まらなかったことから9日に公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)救急外来を受診。同院における胸部X線検査で左肺に肺炎の症状が確認され、尿中レジオネラ抗原検査で陽性反応が出たことから、在郷軍人病に感染していると診断された。目下、患者の容体は落ち着いており、入院治療を続けているという。

 患者は潜伏期間にあたる昨年12月23日から休暇に入り、同日から27日にかけて、家人と自動車をチャーターして中国本土の広東省・珠海市、順徳市、仏山市を旅行していたとのこと。休暇明けは1月4日のみ勤務していた。患者と同居の家族及び雇用主に類似の症状は見受けられないとのこと。

 在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。マカオで確認された在郷軍人病感染者数は2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合醫院(資料)—本紙撮影

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