台湾、中国本土旅客の医療費踏み倒しに苦慮=10月から保険加入義務付けへ

中国本土から台湾への観光目的の渡航が解禁されておよそ7年が経過した。台湾を訪れる中国本土観光客の中には、病気やケガで現地の医療機関を利用する人も少なからずおり、医療費を現地旅行代理店が立て替えることもあるというが、旅客が医療保険に加入していないことから「踏み倒し」も発生しているという。

マカオの日刊紙「澳門日報」が7月15日付紙面で台湾メディアの報道を引用して伝えた。台湾の旅行社による立て替え分の「踏み倒し」は392万台湾ドル(日本円換算:約1560万円)に達するという。こういった状況を鑑み、台湾観光当局では、今年(2015年)10月から、中国本土から台湾を訪れる団体旅客に対し、旅行傷害及び医療保険の加入を義務付ける方針を固めたという。個人旅客についても、同様の措置を導入する見通し。

台湾観光当局によると、中国本土から台湾を訪れる旅客は年齢層が高めといい、心臓病や高血圧その他の慢性疾患、風邪をこじらせ肺炎に至るケースなど、入院治療を要することもあるという。また、中国本土にいる患者の家族に連絡を取った際、「台湾で起きたことは台湾側が責任を負うべき」などと言われることもあるそうだ。旅行社は立て替えに追われる上、患者から事後請求に応じてもらうことができない、医療機関は人道的立場から治療にあたるが、結果的に医療費を受け取ることができないこともあるなど、対応に苦慮する状況が伺えるという。

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