マカオの7月カジノ売上予算未達か=経済財政長官が緊縮財政入り示唆

マカオのカジノ売上(グロス・ゲーミング・レベニュー)が昨年(2014年)6月から今年6月まで13ヶ月連続で前年割れとなるなど、低迷が長期化している。マカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン(梁維特)長官は7月25日、今月(7月)のカジノ売上が予算を下回る可能性があるとし、緊縮財政入りにも言及した。

マカオ政府の今年度(1-12月)財政予算では、月次平均カジノ売上が200億パタカ(日本円換算:約3100億円)に設定されいる。これまでの累計実績から、7月のカジノ売上は183.5億パタカ(約2844億円)が予算達成ラインとなる。

梁長官によると、7月1日から20日までのデータを元に、月間カジノ売上が180億パタカ(約2790億円)を下回ることもあり得るとの見通し。例年、7月の売上実績は6月と比較して10億パタカ以上の上乗せがあるが、今年は同様ではないという。また、仮に7月の結果により予算未達となった場合、速やかに行政長官にレポートを行い、8月初旬に緊縮財政会議を開催する考えを示した。ただし、夏休みシーズンに入り、旅客の増加も期待されることから、予算を上回る可能性もまだ残されており、状況を見守っているとのこと。

マカオの日刊紙「澳門日報」が7月26日に報じた記事では、マカオ政府が今年7月1日から中国本土パスポート保有者に対するマカオでのトランジット滞在制限を緩和したことでカジノ売上増の期待があったが、現在まで大きなプラス作用は見受けられないとしている。

7月カジノ売上見通しについての取材に応じるライオネル・リョン(梁維特)マカオ経済財政庁長官=7月25日、マカオタワー(写真:GCS)

7月カジノ売上見通しについての取材に応じるライオネル・リョン(梁維特)マカオ経済財政庁長官=7月25日、マカオタワー(写真:GCS)

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