フィッチ、マカオの格付け「AA」維持…将来展望は「安定」から「ネガティブ」へ後退

 格付け会社フィッチ・レーティングスはマカオ時間の12月16日、マカオの長期外貨建て債務の格付けについて、「AA」評価を維持すると発表。「AA」評価は上から3番目となる。

 ただし、格付けの将来展望については「安定的」から「ネガティブ」へ変更した。

 同社によれば、格付けを維持した主な理由として、マカオ特別行政区の財務力と政府による厳格な財政規律を挙げた。将来展望を「ネガティブ」とした理由については、観光・ゲーミング(カジノ)業界において、将来的に主要な輸出市場の経済成長の鈍化の影響を受けたり、外的ネガティブ要素に引きずられる可能性があるためとした。

 マカオ金融管理局は、フィッチの発表を受けてプレスリリースを発出。目下、マカオの公共財政は十分に安定しており、今年(2019年)10月末時点の財政準備資産高は今年度歳出の5年分に相当する5749億マカオパタカ(日本円換算:約7兆8050億円)に上ると紹介。マカオ特別行政区は強力かつ健康的な公共財政力、安定した対外収支状況、信頼性の高い財政スキーム、信頼できる為替連動制度、健全な金融システムと良好な経済ファンダメンタルズといった要素があり、これらが持続的かつ有効的に信用力をサポートし、外的ショックに対抗できる経済靭性となっているとした。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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