マカオの20年1〜10月累計カジノ税収が74.1%減の約3214億円に…コロナ禍インバウンド減で売上低迷

 マカオ政府財政局が11月11日付で公表した最新の財政収支データによれば、今年(2020年)1〜10月累計の歳入は前年同時期から26.8%減の808億3501.3万マカオパタカ(日本円換算:約1兆0670億円)で、年度(1〜12月)予算執行率は73.7%だった。

 ただし、経常的収入に限ると66.5%減の361億5240.2億マカオパタカ(約4772億円)にとどまった。

 このうち、ゲーミング(カジノ)税収は74.1%減の243億4638.1万マカオパタカ(約3214億円)。年度予算執行率は48.7%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は30.1%に。通常は歳入の約8割を占めるが、ゲーミング税収の大幅減に加え、財政準備からの補填分が資本的収入に計上(後述)されたことによって割合が小さくなった。

 歳出は11.5%増の696億3540.8万マカオパタカ(約9191億円)で、年度予算執行率は63.5%。経常性費用が16.2%増、資本性費用が16.3%減だった。

 財政収支は111億9960.5万マカオパタカ(約1478億円)の黒字、前年同期比では76.7%の大幅なマイナスだった。財政準備からの補填分を除外すれば実質赤字。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる(*註)。今年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が激減し、GGRを直撃した。1〜10月累計のGGRは81.4%の大幅減となる458.75億マカオパタカ(約6055億円)にとどまっている。

 なお、今年4月に新型コロナの影響を考慮し、カジノ税収の半減による歳入減と防疫・経済支援策による歳出増を見込み、財政準備の超額分から389.5億マカオパタカ(約5141億円)を切り崩して補填する内容を盛り込んだ2020年度改正予算案が立法会で可決された。4月以降の財政収支データは改正後の数値が反映されるため、当初予算ベースだった3月までのものと比較して差異が生じている。政府は年度内に2度目の財政準備切り崩しを計画している。

(*註)マカオのカジノに対する実効税率は約38〜39%。GGRの35%に加え、マカオファウンデーションへの拠出分として1.6%、インフラ・観光・社会保障基金への拠出分が2.4%(SJM社のみ1.4%)。

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