香港、2/2の新型コロナ新規感染確認数25人…旺角のユニクロ店舗スタッフ3人感染受け同僚約70人がウイルス検査対象に

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は2月2日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から9人減の25人だったと発表。1月6日と並び11月下旬以来の最少に。内訳は市中感染が5人減の24人、輸入性が4人減の1人。市中感染のうち感染経路不明は4人で、前日から4人減、2日連続1桁台を維持した。このほか、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は20人超とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況で、市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。近日、マンションの同一棟内、グループホーム内、職場内での感染連鎖が多数確認されている。

 この日は九龍・旺角(モンコック)エリアにある大型ショッピングビル、ランガムプレイス5階に出店するカジュアル衣料品店、ユニクロの従業員3人の感染が確認されたことを受け、この店舗のフルタイム及びパートタイム従業員全員(約70人)がウイルス検査対象とされた。感染確認された3人は1月28日に共通の友人ら10人超との会合に参加していたといい、別の参加者の感染確認されたという。

 香港では、第4波下で感染者が複数出現したビル(マンション)の住民に対する強制検査、1月下旬からは感染例の集中する特定区域を対象とした局地ロックダウンによる強制検査が散発的に実施されている。香港政府は1日、強制検査対象とするビルの基準を引き締める(感染経路不明の感染者が出現、または環境サンプルでウイルスが検出されたビルすべてに)とともに、今後10日間にわたって局地ロックダウンをより広範かつ頻繁に実施する方針を明らかにした。同日夜、4ヶ所で局地ロックダウンによる強制検査が実施されたが、感染確認はゼロだった。なお、4ヶ所合計で20人が検査未受検で、当局が罰金及び強制検査令を発出したとのこと。今後、居留守を使うなどした場合、法律上の手続きを踏まえた上で入口ドアを破壊するといった断固たる手段を講じる可能性も示唆している。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0512人、退院者数は9549人、死者数は183人。

 香港で第4波が続く一方、海を隔てて隣にある人口約68万人のマカオでは、封じ込めに成功している。1月21日に約7ヶ月ぶりの新規感染確認があったが、ドバイからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月2日まで310日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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