香港、新型コロナ新規市中感染確認93人…団地のオミクロン株クラスター拡大続く、累計276人に=1/25

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。

 目下、第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。

 また、近日は新界南西部の葵涌地区にある団地「葵涌邨」(全16棟、約3万人居住)の住民及び訪問者等の間で陽性者の出現が相次ぎ、クラスターの規模拡大が続く状況。

 香港衛生当局の発表によれば、1月25日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は124人で、内訳は市中が93人(感染経路不明6人)、輸入性(海外からの入境者)が31人。輸入性のうち21人はインドから到着した船舶から。このほか、初歩陽性者が70人超いるとのこと。

 「葵涌邨」に絡む感染確認及び初歩陽性者の累計は25日午後3時までに276人となり、前日から64人増。葵涌邨内で最初に陽性者が出現した棟が「逸葵樓」で、感染確認及び初歩陽性者数は全16棟の中で最多の184人に。現在、逸葵樓のほか、映葵樓(64人)、夏葵樓(13人)の3棟に対して5日間の局地ロックダウン措置が講じられているほか、それ以外の棟の住民についても強制ウイルス検査の対象とされている。

 目下、香港では市中で出現した陽性者及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、水際措置の引き締めも講じられている。このところ、水際措置の強化を受けて輸入性事案は大幅減となっているものの、市中事案が連日出現し、感染経路不明のケースも後を絶たず、見えない伝播チェーンが複数存在する可能性も指摘されており、流行第5派は拡大途上との見方もある。しばらく余談を許さない状況が続きそうだ。

 このほか、香港の1月24日午後8時時点のワクチン接種率は78.1%(1回目の接種完了)、70.6%(2回目の接種完了)となっている(※1月21日から新たに接種対象となった5〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したなどを受けて、年初から上昇傾向が続く。

「葵涌邨雅葵樓」住民に対する強制検査受検確認作業の様子(資料)=2022年1月23日(写真:news.gov.hk)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオでは例年通り5月1日に海開きを迎えた。10月31日までがマカオの遊泳シーズンとなる。 …
  2.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土で5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴー…
  3.  香港衛生署衛生防護センターは4月30日の会見において、季節性インフルエンザと新型コロナウイルスの…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ政府地球物理気象局(SMG)の発表によれば、気圧の谷の影響を受け、4月30日夜にマカオで強…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun