香港、新型コロナ新規感染者数は2万7647人…高止まり続く、第5波累計約66万人超に=3/12

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局の発表によれば、3月12日午前0時時点集計の単日の新規感染者数は前日から1734人減(5.9%減)の2万7647人だったとのこと。内訳は、PCR検査結果陽性が前日から3099人減(16.4%減)の1万5789人(輸入性1人含む)、スピード抗原検査結果のオンライン陽性報告数が同1365人増(13.0%増)の1万1858人。で、第5波開始以来の累計感染者数は66万1816人となった。

 当局では、過去1週間の単日の感染確認数は3〜4万人と高止まりしており、局地ロックダウン実施による強制検査での陽性率は依然として高く、市中の伝播状況は活発といえるとし、流行の緩和には至っていない状況の中、市民に対して気を緩めないでほしいと呼びかけた。

 公立病院における12日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は285人で、第5波開始以来の累計死亡者数は3516人(中位数85歳)、死亡率は0.53%に。

 2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設を進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施なども発表済み。全市民対象の強制PCR検査に関しては、当初3月実施予定とアナウンスされたものの、現時点まで具体的な実施スケジュールは示されていない。

 このほか、香港の3月11日午後8時時点のワクチン接種率は90.9%(1回目の接種完了)、79.6%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は51.3%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。11日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は8万0496回で、高位を維持した。

 年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳が79.9%、80歳以上が54.2%と大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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