中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は19省市区で1807人…大半が吉林省、広東省では29日連続=3/12

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月13日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月12日の中国本土における新規市中感染確認は1807人(前日から1331人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1412人(長春市831人、吉林市571人、延辺朝鮮族自治州9人、四平市1人)、山東省175人(青島市150人、徳州市13人、シ博市5人、威海市5人、日照市1人、浜州市2人)、広東省62人(深セン市60人、東莞市2人)、陝西省39人(宝鶏市31人、西安市6人、漢中市2人)、河北省33人(廊坊市23人、滄州市9人、保定市1人)、江蘇省23人(連雲港市)、天津市17人(西青区8人、武清区5人、河西区3人、津南区1人)、浙江省15人(杭州市12人、嘉興市1人、湖州市1人、衢州市1人)、重慶市8人(沙坪ハ区)、北京市6人(朝陽区3人、海淀区1人、門頭溝区1人、順義区1人)、甘粛省5人(蘭州新区4人、蘭州市1人)、黒竜江省3人(ハルビン市)、貴州省2人(遵義市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、内モンゴル自治区1人(フルンボイル市)、遼寧省1人(瀋陽市)、上海市1人(閔行区)、河南省1人(濮陽市)、湖南省1人(湘潭市)。このうち山東省の111人、北京市、浙江省、河南省各1人の計114人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは148日連続。

 市中の無症状感染例についても29日連続で出現し、吉林省744人(吉林市697人、長春市42人、延辺朝鮮族自治州3人、四平市1人、梅河口市1人)、広東省194人(東莞市188人、深セン市6人)、山東省172人(青島市78人、威海市74人、シ博市11人、徳州市4人、イ坊市2人、煙台市1人、聊城市1人、浜州市1人)、上海市64人(浦東新区35人、閔行区10人、金山区4人、黄浦区3人、宝山区3人、嘉定区3人、長寧区2人、徐匯区1人、静安区1人、普陀区1人、松江区1人)、河北省40人(廊坊市33人、滄州市6人、石家庄市1人)、甘粛省36人(蘭州新区19人、白銀市9人、蘭州市8人)、雲南省20人(徳宏タイ族チンポー族自治州18人、昆明市1人、臨滄市1人)、江蘇省19人(連雲港市16人、宿遷市2人、揚州市1人)、天津市9人(武清区4人、河東区1人、河西区1人、南開区1人、西青区1人、浜海新区1人)、広西チワン族自治区9人(崇左市4人、柳州市3人、防城港市2人)、陝西省4人(西安市3人、宝鶏市1人)、遼寧省2人(丹東市)、北京市1人(朝陽区)、重慶市1人(沙坪ハ区)の計1315人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月12日まで29日連続。深セン市における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)、東莞市ではオミクロン株が主とされている。3月14〜18日にかけて深セン市全域で在宅勤務の推奨が実施され、すべてのレストランがイートインサービスをストップするほか、インターネットカフェ、バー、映画館などについてもクローズとなる予定。さらに、同市の5区(福田、羅湖、南山、塩田、宝安)では4日連続で毎日一度のウイルス検査が実施され、公共の場所へ立ち入る際に24時間以内のPCR検査陰性証明または当日の検査受検証明の提示が必要とされる措置も講じられる予定。このほか、3月初旬に東莞市大朗鎮で出現したクラスターについて、対応に問題があったとして広東省公安庁の副庁長1人と東莞市の副市長2人を含む官吏6人が免職処分を受けたという。

 3月12日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は7230人(うち輸入性が2587人)で、重症者は6人(うち輸入性2人)。無症状の患者6287人(輸入性1486人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月12日まで153日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月12日までの累計は約66万人超に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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