香港からマカオへの越境自家用車を使った密輸事案1件摘発…中古のCPUとメモリ1万点超発見

 澳門海關(マカオ税関)は4月30日、越境自家用車を利用した違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)の状況を注視し、対策及び取り締まり強化して臨む中、同月29日未明に越境自家用車を使った香港からの中古電子製品密輸事案1件を摘発したと発表。

 税関によれば、同月28日夜、港珠澳大橋マカオ側イミグレーションを出境する自家用車1台について、リスク管理システムを通じた早期警戒アラートが反応。29日未明、この車両が同一イミグレーションからマカオへ再入境したため、税関職員が追跡を行い、市内の公共駐車場へ入ったところで制止し、車内の捜索を実施したとのこと。

 車内の捜索において、トランク部から中古CPU及び中古メモリ合計1万2699点、市価およそ120万パタカ(日本円換算:約2160万円)相当、助手席から未処理の輸入申告書を発見。

マカオ税関による越境自家用車を使った密輸事案摘発時の様子=2025年4月29日(写真:澳門海關)

 当該車両の運転者は越境自家用車の運転資格を有しておらず、運転者は税関に対し、報酬を得て香港からマカオへの貨物の運搬に従事したことを認め、助手席から見つかった輸入申告書は税関検査で止められた際に使用するつもりだったと説明。その後、税関がこの運転者を雇用した人物に対する調査を行い、概ね運転者の説明通りだったことが確認されたという。

 税関では、上述のマカオ居民2人(いずれも30代)を対外貿易法違反で起訴するとともに、この車両の越境通行許可の取り消し手続きに着手済みとした。

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省や香港へ乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土・香港との間の自家用車での往来が増えており、越境自家用車を悪用して運び屋行為に従事する人物の摘発も相次いでいる。

越境自家用車を使った密輸事案の証拠品=2025年4月29日(写真:澳門海關)

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