マカオIR運営MGMチャイナが2025年1Qの業績発表…カジノ売上市場シェア15.7%まで拡大

 マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区でMGMコタイの両IR(統合型リゾート)施設を運営するMGMチャイナ社は5月1日、今年第1四半期(2025年1〜3月)の監査前業績を発表。

 同社発出資料によれば、グループの昨年通期の純収入は前の四半期から1%増の80億香港ドル(日本円換算:約1493億円)で、コロナ前2019年同時期の139%。調整後EBITDAは前の四半期から11%増、2019年同時期の146%にあたる24億香港ドル(約448億円)に上った。また、調整後EBITDAマージンは前の四半期の26.8%から29.6%まで上昇した。

 今年第1四半期のマカオの総カジノ売上(カジノ粗収益/GGR)に占める同社グループの市場シェアは15.7%で、前の四半期から0.2ポイント拡大。内訳はマス(スロットマシン含む)が0.1ポイント上昇の15.8%、VIPが1.4ポイント上昇の15.2%に。

 また、今年第1四半期の同社グループホテルの訪問客数は前の四半期から12%増の10万9585人で、2019年同時期の95%まで回復したとのこと。ホテル客室稼働率は93.3%。

 財務状況についても、今年第1四半期末時点の総流動資金は178億香港ドル(約3322億円)と安定を維持しているとした。

 マカオでは、2023年1月から新コンセッション(10年間)がスタート。 MGMは入札評価点が6陣営の中でトップだった。改正カジノ法の施行後、 マカオのゲーミングテーブル台数にキャップ制が導入され、新コンセッションスタートに合わせて当局が各事業者への再配分を行った。 MGMチャイナはゲーミングテーブル配分において6陣営で唯一、従前から割り当て数が増加した事業者。同社の割当テーブル数は従前の552台から36%増の750台となっており、業績のボトムアップにつながっているとみられる。

 MGMチャイナ社長兼エグゼクティブダイレクターのケネス・フェン氏は今回の業績発表において、「当社の傑出した業績は、お客様のニーズを的確に把握し、サービス水準を継続的に向上させてきたことの証であるだけでなく、チームが革新に専心し、お客様に魅力的な旅行体験を提供するために努力してきたことの証でもある」とした上、「当社はマカオの多元的な発展を喜ばしく思っており、今後もコンセッションにおけるコミットメントを履行し、お客様により多くのユニークな体験を提供することで、今後もダイバーシティ化された国際的観光デスティネーションとしてのマカオの発展に寄与していく」としたとコメントした。

大型カジノIR「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区にて本紙撮影

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