香港、新型コロナ新規感染者数は2万1650人…第5波累計98万人超に=3/17

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月17日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染者数は前日から7622人減(26.0%減)の2万1650人だったとのこと。内訳は、PCR検査結果陽性が前日から5826人減(40.3%減)の8628人、スピード抗原検査結果のオンライン陽性報告数が同1796人減(12.1%減)の1万3022人。第5波開始以来の累計感染者数は98万人超となった。

 当局では、きょう(17日)の新規感染確認数については過去1週間の3万人水準から下落したものの、現時点で流行の趨勢を見極めることは難しく、今後数日の状況を観察する必要があるとしたほか、市中には依然としてかなり多くの感染源、伝播チェーンが存在し、無症状の人も存在することから、急速に終息するようなことはないとの見通しを示した。

 公立病院における17日未明時点の直近24時間の感染者の死亡者数は289人、これとは別に醫管局以外から報告された死亡者が15人おり、第5波開始以来の累計死亡者数は4923人、死亡率は0.5%に。死亡者の約87%に慢性疾患があったとのこと。

 2月以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足が深刻化している状況で、感染確認または陽性となった人が自宅での待機を余儀なくされているケースも多い。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めているほか、各種防疫措置の強化、全市民を対象とした強制PCR検査の実施計画も発表済み。全市民対象の強制PCR検査に関しては、当初3月実施予定とアナウンスされたものの、現時点まで具体的な実施スケジュールは示されておらず、週明け発表予定とのこと。

 香港の3月16日午後8時時点のワクチン接種率は91.3%(1回目の接種完了)、81.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は55.5%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。16日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万5733回で、7日移動平均は6万8962回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳と80歳以上が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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