マカオ、2022年2月のインバウンド旅客数は約65.6万人…対前年53.5%増も対前月では2ヶ月連続マイナス

 マカオ政府統計調査局は3月17日、今年(2022年)2月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 今年2月のインバウンド旅客数は前月から5.6%減、前年同月から53.5%増となる65万5505人(延べ、以下同)で、対前月では2ヶ月連続マイナスに。

 内訳は、日帰り旅客が前年同月比1.1倍増の37万6033人、宿泊を伴う旅客が13.9%増の27万9472人。旅客の平均滞在時間は日帰り旅客の割合が高まったことを受けて前年同月から0.4日短い1.5日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.1日延びて3.3日。

 今年2月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から60.1%増の60万9249人、全体に占める割合は92.9%。このうち個人旅行客が19万6523人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が38万4303人で、広東省珠海市が59.1%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ4万1409人、1万6525人。

 インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が49.5%増の58万8373人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が79.5%を占めた。空路は5万0607人、海路は1万6525人。

 2月初旬には年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)ホリデーがあったが、前年同時期比で伸長したものの、事前見通しの1日平均2万人には届かなかった。1月中旬にマカオと隣接する広東省の珠海市及びその北に位置する中山市で新型コロナ(オミクロン変異株)市中感染例が出現したことを受け、状況が落ち着くまでの間に水際措置が強化されたことによる影響があったとみられる。

 今年1〜2月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から37.2%増の134万9935人。内訳は、日帰り旅客が76.0%増の82万6461人、宿泊を伴う旅客が1.8%増の52万3474人。旅客の平均滞在時間は0.3日短い1.4日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.2日延びて3.3日。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となったことで、昨年5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。昨年8月以降はマカオでも市中感染確認例の出現が複数あり、中国本土側でマカオからの入境者に対する隔離検疫を必要とする状況が生じた。

 目下、中国本土を除く国・地域からのマカオ入境は厳しく制限されている状況。香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担、期間は直前の滞在地域などにより異なる)、新型コロナウイルスPCR検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人については原則入境禁止となっていたが、就労ビザを持つ人などを対象に一部緩和された。ただし、要件をクリアした上、当局への申請、承認手続きの必要があり、ハードルは高い。1月初旬からはオミクロン変異株流入防止を目的に水際措置が一層強化されている。

 マカオのインバウンド旅客数動向は2月下旬にかけて回復が見受けられたが、3月に入って以降、広東省を含む中国各地で再流行が出現し、新たな中リスクエリア指定が相次ぐ中、今後のインバウンド旅客数にマイナス影響が生じる可能性もある。

春節シーズンにマカオ歴史市街地区一帯で開催された春節祝賀イベントの様子=セナド広場、2022年2月1日(写真:GCS)

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