卓球WTTチャンピオンズマカオ大会…伊藤美誠が準決勝敗退、決勝は男女とも中国勢同士の対戦に

 マカオの塔石体育館で開催中の卓球「WTTチャンピオンズ マカオ 2022 presented by Galaxy Entertainment Group」はいよいよ大詰めを迎えている。前夜(10月22日)に男子及び女子シングルスの準決勝が行われた。

 今大会に参加した日本代表5選手のうち、準決勝まで勝ち上がったのは伊藤美誠選手(スターツ)のみ。世界ランク6位の伊藤選手は同13位の陳幸同選手(中国)と対戦し、ゲームカウント1-4で敗れ、4強止まりとなった。

 伊藤選手と中国勢との対戦は今大会で初めて。陳選手とは過去に5回の対戦歴があるが、わずか1勝と苦手としている相手だった。今大会は、準決勝から7ゲームズマッチ(4ゲーム先取で勝利)に。伊藤選手は幸先良く第1ゲームをものにしたが、第2ゲームから4ゲーム連取され逆転負け。第4、5ゲームでは追い上げをみせるも、ガードの固さとラリーで強さをみせつけた陳選手に及ばなかった。伊藤選手は試合後のインタビューで、陳選手を攻略できなかったことに悔しさをにじませながらも、中国の上位選手との対戦や7ゲーム制の戦い方といったところで良い経験ができたとし、次週のファイナルズ(中国河南省新郷)に向け、気持ちを切り替えて臨みたいと述べた。

 決勝進出を果たしたのは男女とも中国勢。決勝はきょう午後6時から行われ、男子が世界ランク1位の樊振東選手と11位の王楚欽選手、女子が1位の孫穎莎選手と陳幸同選手といういずれも見応えある対戦カードとなっている。

準決勝終了後にインタビュー取材へ応じる伊藤美誠選手=2022年10月22日、マカオ・塔石体育館にて本紙撮影

 ホスト都市・マカオでは、”地元”中国のスター選手を含む世界トップの64人(男女各32人)が一堂に関する大会とあり、盛り上がりをみせている。マカオは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持しており、長期にわたって海外との往来が困難な状況が続く一方、中国本土との間では隔離検疫免除での相互往来が実現している。中国本土からマカオへ、マカオから中国本土へ転戦することが容易な状況があったため、豪華メンバーが集結する今大会が実現したといえる。

 マカオといえば、世界的なモータースポーツの祭典・マカオグランプリで知られる。マカオグランプリはコロナ禍でも開催を継続しているが、海外からの転戦組が多くり、移動や隔離検疫がネックとなるため、2020年以降は開催規模の縮小を余儀なくされ、中国本土や地元選手の参加が主となっている。マカオの他の”国際”イベントも似た状況が続く中、今回のWTTチャンピオンズはひさしぶりに多くの海外トッププレーヤーが参加し、中国本土からのファンも応援に駆けつけたことで、マカオにとって大きな意義があったといえる。

 卓球といえば、中国のお家芸のひとつ。マカオでも中国代表のトップ選手の人気は絶大だ。今大会の会場で特に大きな声援を浴びていると感じたのは男子の馬龍選手と樊振東選手、女子の孫穎莎選手の3人。また、日本代表選手出場時にもネームプレートを掲げる現地ファンの姿が見られ、中でも東京五輪での大活躍が記憶に新しい伊藤美誠選手に対する注目度と歓声はひときわ目立った。

準決勝で陳幸同選手(中国)と対戦する伊藤美誠選手=2022年10月22日、マカオ・塔石体育館(写真:Sports Bureau of Macao)

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