マカオ、ウィズコロナ急転換後の流行ピーク過ぎる…人口の5割近くが感染

 マカオでは、中国本土に追随して12月初旬から事実上ウィズコロナに急転換となり、各種防疫措置の緩和が一気に進んだ。

 以降、周囲の状況などから感染者が急増したとみられるが、防疫措置の伴う検査体制の変化などから無症状感染者数の把握が困難になったとし、マカオ政府は12月中旬から従来方式での感染者数の発表を取りやめており、市中における実際の流行状況が掴みにくい状況となっている。

 マカオ政府社会文化庁(衛生局を所管)の歐陽瑜(オウヤン・ユ)長官は12月30日、現時点で把握しているデータ及び政府モデルによる試算として、新規感染者数のピークは12月21〜23日、重症者数のピークは27〜28日だったことを明らかにした。以降、衛生当局への電話による問い合わせやコミュニティ外来診療センターの予約数が減少傾向にあること根拠に流行ピークを過ぎたとの見方を示し、すでに人口の5割近く(※マカオの人口は約68万人)が感染した可能性があるとした。このほか、マカオで流行しているウイルスの型については、流行開始後2度の分析を行い、1週間前に実施した最新の分析では、広州から流入したオミクロンBA.5と北京のBF.7が主で、割合としてはBA.5の方が大きいとのこと。

 過去2週間、記者の周囲でも感染したという話や人手不足による休業のお知らせを見聞きすることが多くなり、市街地の人出も明らかに少なくなるなど、感染拡大の状況がうかがえたが、ピークアウトして1週間が経過したとすれば、感染者の回復が進むにつれて落ち着きが戻ってきそうだ。

マカオの公立病院・仁伯爵綜合醫院の24時間外来を転用したコロナ急患用の待機エリア(資料)=2022年12月26日(写真:マカオ政府衛生局)

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