マカオ、ID情報をスマホアプリに格納…実体カードなしでの出入境実現へ

 マカオ政府は近くマカオ居民IDカードの電子識別システムの運用を開始する計画を明らかにした。

 政府身分証明局がスマートフォン用の政府サービス統合アプリ「一戸通(ワン・アカウント)」を通じてIDカード保有者の身元情報を確認できる電子身分証書を発行し、居民は実体カードを提示することなく通関(出入境)や行政手続き等を進めることができることになるという。

 3月24日、マカオ行政会でマカオ身分証制度法の改正案がまとまり、張永春行政法務長官と周偉迎身分証明局長が会見に出席。張長官は、IDカードの電子識別システムを活用した実体カードなしでのマカオ出入境時の技術、設備面での準備も整っているとし、改正法案が立法会審議及び採決を経て施行された後、早ければ今年(2023年)6月から7月にも一部のイミグレーション施設で電子通関を実現できるとの見込みを示した。身分証明局では、通関のほか、公共行政窓口での各種手続きや医療クーポン等、電子識別システムの段階的な応用範囲の拡大を進めていくとの考えを示した。

 改正法案には、電子識別システムの不法利用などの行為について刑事化するほか、実体IDカードの新版発行(券面デザイン変更や偽造防止策の強化)についての内容も盛り込まれている。身分証明局によれば、現行版IDカードの発行がスタートした2013年以降、偽造事案の発見は2件だったという。

 マカオでは、先行して昨年10月から自動車運転免許証と車両保険情報の電子化が導入され、「一戸通」アプリ上での提示が可能となっている。

マカオの自動化ゲート(写真:DSI)
マカオの自動化ゲート(写真:DSI)

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