マカオ大学が2024年マカオのマクロ経済予測を発表

 マカオ大学マカオ研究センターと経済学部は12月27日、2024年マカオのマクロ経済予測を発表。

 研究チームでは、依然として中国本土からのインバウンド旅客がマカオの発展に影響を与える主な要素であるとした上、公衆衛生上の重大な影響なく通常の社会運営下という前提で2つのシナリオに基づく予測を検討し、シナリオ1を2024年のインバウンド旅客数がコロナ前2019年水準を回復するという「楽観的」なもの、シナリオ2を2024年のインバウンド旅客数が2023年から5%増にとどまる「保守的」なものに設定したとのこと。

 GDPについて、シナリオ1では21.0%増でコロナ前2019年の96.1%に相当する4222億パタカ(日本円換算:約7兆4688億円)、2では8.3%増で同85.9%の3776億パタカ(約6兆6798億円)としたほか、サービス輸出の増加率を1が26.7%、2が10.3%、総体失業率を1が1.9%、2が2.1%、マカオローカルの失業率を1が2.6%、2が2.8%、マカオ特別行政区政府の最終収入を1が1096億パタカ(約1兆9388億円)、2が953億パタカ(約1兆6859億円)などとした。(※予測値はいずれも各シナリオのベースライン)

マカオ大学が2024年マカオのマクロ経済予測を発表、写真はイメージ(写真:University of Macau)

 マカオはほぼ3年間にわたって厳格な新型コロナ防疫措置を維持した後、2022年12月にウィズコロナ政策へ転換。2023年に入って以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを維持している。研究チームは2023年ここまでの状況について、旅客ソース別で香港からの旅客の回復が最も進んでおり、1〜10月累計で2019年同時期の97.1%にあたる595万人に達したが、中国本土からの旅客は同64.4%の1532万人、その他からは40.7%の142万人と回復が遅れているとしたほか、ツーリズム市場の回復により1〜10月累計の実質サービス輸出も2019年同時期の79.6%にあたる2009億パタカ(約3ちょうう5540億円)に達しているが、ゲーミング(カジノ)サービス輸出に限ると56.1%の1011億パタカ(約1兆7885億円)にとどまることなどを指摘している。

 マカオは人口規模が小さく、カジノを含むツーリズムサービス産業が経済の大黒柱となっており、インバウンド依存度が極めて高い経済体という特徴がある。

マカオ大学が公表した2024年マカオの主要経済指標予測資料(図版:University of Macau)

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