白タク運転手、通関便宜図ると騙り客の現金詐取―マカオ

マカオ司法警察局は10月24日、關閘イミグレーションを通過する際、通関の便宜を図ると騙って中国本土出身の客から50万香港ドル(日本円換算:約697万円)の現金を詐取した疑いで、マカオ身分証を持つ自称商人の白タク運転手の男を逮捕したことを明らかにした。

10月25日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。今月17日午後2時頃、中国本土出身の男性が白タクを利用してマカオの關閘イミグレーションから珠海の拱北イミグレーションへ移動していた際、運転手の男から巨額の現金の有無を尋ねられたという。運転士の男が「通関時に巨額の現金を持っていることが判明した場合、中国本土籍の者には巨額の罰金が科せられるが、マカオ籍の者は大丈夫」などと話したため、それを信じた客が通関後に再合流する約束をし、50万香港ドルの現金を運転手に手渡した。しかし、待ち合わせ場所に白タクが現れることはなく、客が騙されたことに気付き、警察に通報した。

その後、司法警察局が運転手の身元を割り出し、24日にタイパ島の自宅で発見。巨額詐欺などの疑いで逮捕した。家宅捜索で20万香港ドルの現金を発見したが、不足分の金の使い道などについて運転手への取り調べを進めている。

マカオ側では現金の持ち込み、持ち出しについて制限がないが、中国本土側では20,000人民元(日本円換算:約35万円)または外貨現金5,000米ドル(約54万円)相当額以上を持ち込む際、税関への申告が義務付けられている。当然ながら、この規定はマカオ籍の者にも適用される。

中国本土とマカオの主要出入口「關閘(ボーダーゲート)」イミグレーション(資料)―本紙撮影

中国本土とマカオの主要出入口「關閘(ボーダーゲート)」イミグレーション(資料)―本紙撮影

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