マカオカジノ最大手SJM、純利12.7%減=14年通期、VIP部門不振も平場伸ばす

マカオのカジノライセンス保有6社の一角で業界最大手のSJMホールディングスは2月25日、昨年(2014年)通期の業績発表を行った。全社のカジノ売上は前年比8.8%減の792.69億香港ドル(日本円換算:約1兆2160億円)、調整後EBITDAは10.5%減の77.63億香港ドル(約1190億円)、純利益は12.7%減の67.1億香港ドル(約1030億円)と主要指標でいずれもマイナスを記録。市場シェアは23.2%で首位をキープした。

同社の旗艦カジノ施設となるグランドリスボアのカジノ売上は8.3%減の295.87億香港ドル(約4540億円)、調整後EBITDAは8.2%減の42.73億香港ドル(約660億円)。ホテル客室稼働率は3.2ポイントマイナスの93.2%だったが、平均客室単価は4%プラスの2325香港ドル(約3万6000円)となった。

全社のマスゲーミング(平場カジノ)部門の売上は8.9%のプラスを確保したが、VIPカジノ部門が17.3%のマイナスとなり、相殺するには至らなかった。なお、全社カジノ事業に占めるVIPカジノ売上の比率は前年から6.2ポイント減の60.9%、マスゲーミング部門は6.1ポイント増の37.4%だった。

マカオ政府カジノ監理当局の統計によると、マカオのVIPカジノ売上全体に占める同社の割合は23.4%で、前年から1.8ポイント減。

昨年12月末日現在、同社傘下のカジノ施設で稼働中のゲーミング(カジノ)テーブル数は、VIP部門が574台、マスゲーミング部門が1214台となり、それぞれ前年同日から7台減、4台増。

マカオの月次カジノ売上は昨年6月から今年1月まで8ヶ月連続で前年割れとなっている。マカオのカジノ売上の大半を稼ぎ出すのがVIPカジノ部門だが、中国本土の反汚職キャンペーンの拡大などを受け、主要顧客基盤である中国本土富裕層が同じ中国にあるマカオでのギャンブルを避ける動きもみられる。

マカオ半島の中心部に位置するSJMホールディングスの旗艦施設「グランドリスボア」(資料)—本紙撮影

マカオ半島の中心部に位置するSJMホールディングスの旗艦施設「グランドリスボア」(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  2.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区で…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は5月2日夜、マカオ域内で今年(2024年)2人目の輸入性デング熱感染…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は4月30日、同月29日にマカオ半島北部・關閘エリアの商業ビル、如意閣商場…
  5.  マカオでは、5月1日から新増訂版の「食品添加物使用基準」が適用開始となった。  食品安全行…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun