マカオの失業率、過去最良の1.7%を維持=15期連続、カジノ経済低迷長期化も雇用は安定

マカオ経済の屋台骨ともいえるカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年3月まで10ヶ月連続で前年割れとなっている中、雇用に対する不安の声も広がっている。しかしながら、現在まで労働市場に関する統計上の数字にはインパクトが見受けられず、雇用に大きな影響は出ていないようだ。

マカオ政府統計調査局が4月28日に発表した最新の雇用統計によると、今年1〜3月(第1四半期)の総体失業率は前回調査(昨年12月〜今年2月)と変わらずの1.7%、就業不足率は0.1ポイント下落の0.3%だった。失業率1.7%は過去最良水準で、今回まで15期連続で数字をキープしている。

第1四半期の労働人口は40.63万人、労働参加率は74.3%。このうち、就業人口は39.95万人で前回調査時から0.7%の増加。業種別では、建設業とホテル業の就業人数がそれぞれ1.5%、2.4%増加している。

失業人口は前回調査から100人の減少となる6800人。このうち、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は6.5%で、3.4ポイントの下落だった。

前年同時期との比較では、総体失業率(1.7%)、マカオ居留権保有者の失業率(2.4%)ともに変化なし。総就業人数は前四半期(昨年10〜12月)から900人増。業種別就業人数では医療・社会福祉が2200人増の1.19万人、ゲーミング(カジノ)業が2400人減の8.46万人、ホテル業が1800人減の2.61万人。

また、第1四半期の全就業人口の平均月額給与収入は1万5000パタカ(日本円換算:約22万3700円)、マカオ居留権保有者に限ると1万8000パタカ(約26万8400円)で、それぞれ前四半期から1000パタカ、2000パタカの増加。期中にあった旧正月がボーナスシーズンとなるため、給与増につながったとみられる。

マカオでは、今年5月末以降、コタイ地区を中心に大型IR施設のオープンラッシュがスタートし、およそ1万6000人分の新規雇用が創出される見通し。各社とも既存人材の囲い込みと新規人材の採用の双方について積極的な姿勢を維持している。

安定した雇用状況が続くマカオの町並み。手前がマカオ半島南部、奥がタイパ島(資料)=2015年4月(写真:GCS)

安定した雇用状況が続くマカオの町並み。手前がマカオ半島南部、奥がタイパ島(資料)=2015年4月(写真:GCS)

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