香港中産階級の理想、老後の必要資金2億円=実際の貯蓄額は遠く及ばず、保険会社調査

生活物価が高いことで知られる香港だが、中産階級がリタイヤ後の生活を安心して過ごすために必要と考える資金が1340万香港ドル(日本円換算:約2.1億円)にも上ることが大手保険会社AIA香港の調査で明らかになった。金額は前年の調査から17.9%増という。

この調査はAIA香港が研究機関に委託して今年(2015年)2月18日から3月18日の間に実施したもので、調査方法はインターネット及び面談、対象人数は500人で、いずれも自身を「中産階級」と認識している前提。

調査結果によると、香港の中産階級の平均世帯年収は78.4万香港ドル(約1250万円)で、月収にすると6.5万香港ドル(約104万円)。上述のリタイヤ後の生活を安心して過ごすために必要と考える資金は、実に年収の17年分に相当する。しかしながら、リタイヤ後の生活資金のための毎月平均貯蓄額は9533香港ドル(15.2万円)にとどまる。子育て中/子育て予定の場合、教育費の出費などにより、毎月平均貯蓄額は4173香港ドル(約6.7万円)となっている。理想と現実のギャップはかなり大きいようだ。

また、香港の中産階級は子供に対する期待が大きいという。約21%が将来子供が自身の生活水準を上回ると回答。子供に就かせたい職業は、公務員、起業家またはCEO(最高経営責任者)がそれぞれ20%を占めた。

香港の町並み。九龍半島の尖沙咀からヴィクトリアハーバー、香港島のセントラルを望む(資料)—本紙撮影

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