大型IR建設ラッシュ続くマカオ、ホテル客室数1.7倍の5.1万室へ=15年第2四半期統計

マカオでは埋立地のコタイ地区を中心に大型IR(統合型リゾート)の建設ラッシュが続いている。

マカオ政府土地工務運輸局は8月30日、今年第2四半期時点で着工済みのホテルが22軒、計画段階のものが30軒あり、これら52軒の合計客室数が2万1100室に上ることを明らかにした。第2四半期時点で営業中のホテル客室数は2万9910室となっており、建設中または計画中の数を加えると、現在のおよそ1.7倍の5万1010室となる。

第2四半期時点で着工済みのホテル22軒の合計予定客室数は前年同期比27%増となる1万2523室。エリア別の分布では、マカオ半島が13軒979室、大型IR集積エリアにあたるコタイ地区が6軒1万244室、タイパ島が2軒1064室、コロアン島が1軒236室。これらの客室の合計建設面積は同14%増の107万平米に上る。いずれも2017年頃までの完成を目指す案件とみられる。

建築計画中のホテル30軒の客室数は8628室。エリア別の分布では、マカオ半島が24軒3153室、コタイ地区が3軒4881室、タイパ島が1軒126室、コロアン島が2軒468室。

マカオのホテル宿泊価格は高止まりしており、供給増による価格の平準化や、バジェットホテル(格安宿泊施設)の拡充などを求める声が内外から相次いでいる。

近年、マカオを訪れる旅客数は増加傾向にあり、昨年(2014年)通期では前年比7.5%増となるのべ3150万人に達するなど、ホテル宿泊に対する需要も拡大している。これまで高水準をキープしてきたマカオ全体のホテル客室稼働率だが、今年上半期は78.1%となり、昨年上半期の85.9%から7.8ポイント下落している。稼働率低下の要因として、昨今のホテル客室数の供給増に加え、今年上半期の訪マカオ旅客数が前年同期比3.5%減となったことなどが挙げられる。また、カジノVIPルームの不振に伴うジャンケットと呼ばれる仲介業者による客室の確保も減少したとされる。

目下、マカオを訪れる旅客の約半数が日帰り旅客となっており、官民ともに滞在時間を延ばすことを目標に掲げた取り組みを行っている。

なお、カジノ売上では圧倒的な世界一のポジションにあるマカオだが、ホテル客室数ではラスベガスの約15万室を大きく下回るのが現状だ。

大型IR(統合型リゾート)の開発ラッシュが続くマカオ・コタイ地区。左がパリジャンマカオ(2016年末開業予定)、右がスタジオ・シティ(今年10月27日開業予定)=2015年8月—本紙撮影

大型IR(統合型リゾート)の開発ラッシュが続くマカオ・コタイ地区。左がパリジャンマカオ(2016年末開業予定)、右がスタジオ・シティ(今年10月27日開業予定)=2015年8月—本紙撮影

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