肛門にコカイン隠してマカオへ密輸図る、香港人青年逮捕=50回の往来歴

昨今、マカオ警察が麻薬犯罪に対する取り締まりを強化する中、密売組織から「運び屋」として利用された香港人青少年がマカオで逮捕される例が相次いでいる。

マカオ司法警察局は9月14日、同月12日夜に香港との間の高速船が発着する外港フェリーターミナルからマカオへ入境しようとした22歳の香港人男子を麻薬及び向精神薬不法販売の疑いで逮捕したことを明らかにした。事前に情報をキャッチしてマークしていた人物で、職務質問したという。

青年は取り調べの際、おもむろに自ら肛門から6つのコンドームに入ったコカイン計9.96グラム=末端価格約3万香港ドル(日本円換算:約46.7万円)相当を取り出したとのこと。香港で知り合った麻薬密売組織から携帯電話のメッセンジャーアプリを通じて指示を受け、マカオの買い手に届けるところだったとし、報酬は1回3000香港ドル(約4.7万円)だったなどと供述しているという。

警察によると、青年は今年1月以降、50回を超えるマカオ往来歴が確認されており、いずれも麻薬密輸のための渡航だったとみて余罪の追及と背後関係に関する捜査を継続しているとしている。

なお、麻薬販売価格は香港と比較してマカオの方が高く、密売組織はマカオでの販売を志向する傾向が見受けられるという。例えば、小分けのコカイン1袋の価格は香港が300香港ドル(約4666円)であるのに対し、マカオでは1000香港ドル(約1.6万円)と3倍以上になるとのこと。また、マカオは薬物犯罪に対する罰則が近隣地区より緩いことも指摘されている。

肛門にコカインを隠して香港からマカオへ密輸を図ったとして麻薬及び向精神薬不法販売の疑いで逮捕された22歳香港人男子と証拠品(写真:マカオ司法警察局)

肛門にコカインを隠して香港からマカオへ密輸を図ったとして麻薬及び向精神薬不法販売の疑いで逮捕された22歳香港人男子と証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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