マカオ、密航者の強制送還数68%増=1〜8月累計1500人超

中国南部の珠江デルタ河口付近に位置する面積約30平方キロメートル、人口約64万人のマカオ。1999年12月20日に中国へ返還され、一国二制度の下、中国の特別行政区となった後も、独自の出入境管理や通関事務を行っている。

2003年に中国本土から香港、マカオを訪れるための個人旅行者向け入境許可証の発給をスタートしたが、渡航頻度、滞在期限などに制限が多いことなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

マカオ治安警察局が9月29日に公表した統計データによると、今年(2015年)1〜8月に強制送還の対象となった不法入境者(密航者)の累計が前年同期比68%の大幅増となる1575人に上った。

同局はこの日、密航多発スポットとして指摘されていたマカオ半島北部の鴨涌河を隔てて広東省珠海市と接する鴨涌河公園北側エリアについて、警備体制の強化することを明らかにした。具体的には、防護フェンスの高さを現状の1.8メートルから2.4メートルとした上で有刺鉄線を追加、密航者が身を隠すことができそうな樹木等の除去、監視カメラを14台から26台に増強、白光スポットライトの設置、警察官に夜巡回頻度を1時間に1回以上から倍増するとのこと。

なお、鴨涌河公園北側エリアで検挙した密航者数は今年1〜8月累計で7人で、うち5人がベトナム人だったという。

密航多発地点として警備体制の強化が決まった鴨涌河公園北側エリア。手前がマカオ側、奥が広東省珠海市側(資料)—本紙撮影

密航多発地点として警備体制の強化が決まった鴨涌河公園北側エリア。手前がマカオ側、奥が広東省珠海市側(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)MGMコタイ運営会社は7月10日、マカオの活気ある…
  2.  マカオ司法警察局の薛仲明局長は7月11日、司法警察日の表彰セレモニーの挨拶において、年初来の犯罪…
  3.  マカオ司法警察局は7月10日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  4.  マカオ治安警察局は7月9日、中国本土からマカオへの密入境に絡み、密入境者1人とこれを手引きした男…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は7月10日、今年(2025年)1〜5月累計及び5月単月の電子決済額統…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  2.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  3.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  4.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun