対マカオ累計直接投資15%増、カジノが6割=14年単年新規分は27%減

マカオ政府統計調査局は10月13日、昨年(2014年)の直接投資統計を発表。同年の海外(中国本土、香港、台湾含む)からマカオに対する新規直接投資額は前年比27.2%減の263億パタカ(日本円換算:約3941億円)となり、同局では外資企業がマカオで得た利益の再投資を減らしたためとの見方を示している。マカオ企業の在外直接投資は54億パタカ(約809億円)だったことから、収支は209億パタカ(約3132億円)のプラス。

新規投資の分野別ではゲーミング(カジノ)業が124億パタカ(約1858億円)で全体の47.1%を占めたが、昨年は約77%だったことから落ち込みが目立った。このほか、銀行・証券業が全体の18.6%を占める49億パタカ(約734億円)、ホールセール・リテール業が同13.7%の36億パタカ(約540億円)で、いずれも前年から大きく伸びた。

新規投資元の所在国・地域は英領ヴァージン諸島が84億パタカ(約1258億円)、ケイマン諸島が57億パタカ(約854億円)、香港が55億パタカ(約824億円)。ケイマン諸島、英領ヴァージン諸島はタックスヘイブン(租税回避地)として知られ、海外企業が本社登記地として利用することも多い。

2014年の対マカオ直接投資による利益は前年比7.5%増の850億パタカ(約1兆2733億円)に達した。このうち、ゲーミング業の利益は2.7%増の571億パタカ(約8553億円)となり、過去最高記録。このほか、銀行・証券業が26.8%増の91億パタカ(約1363億円)、ホールセール・リテール業が4.6%増の88億パタカ(約1318億円)。

2014年末時点の対マカオ累計直接投資総額は15.5%増の2189億パタカ(約3兆2790億円)となり、ゲーミング業が11.5%増の1281億パタカ(約1兆9189億円)で全体の58.5%を占めた。ゲーミング業の投資元の52.7%がケイマン諸島。

なお、マカオ企業による在外累計直接投資は26.4%増の314億パタカ(約4704億円)で、投資先は香港が56億パタカ(約839億円)、中国本土が52億パタカ(約779億円)。投資元の企業分野別ではゲーミング業によるものが前年から27.4%増の257億パタカ(約3850億円)、ホールセール及びリテール業が同4.8%増の42億パタカ(約629億円)。

2014年の対マカオ直接投資海外企業数は2469社に上る。

大型IR(統合型リゾート)の開発ラッシュが続くマカオ・コタイ地区。左がパリジャンマカオ(2016年末開業予定)、右がスタジオ・シティ(今年10月27日開業予定)=2015年8月—本紙撮影

大型IR(統合型リゾート)の開発ラッシュが続くマカオ・コタイ地区。左がパリジャンマカオ(2016年末開業予定)、右がスタジオ・シティ(今年10月27日開業予定)=2015年8月—本紙撮影

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