マカオ半島とタイパ・コロアン島結ぶ渡し船、40年ぶり復活か=政府が観光アトラクションとして再開を計画

マカオは中国大陸から伸びるマカオ半島と沖合に位置するタイパ島、コロアン島、さらに、タイパ島とコロアン島の間を埋立造成したコタイ地区で構成される面積30平方キロの小さな地域だ。

現在、マカオ半島とタイパ島の間は3本の橋で結ばれており、タイパ島、コタイ地区、コロアン島は陸路でつながっている。かつて、マカオ半島とタイパ島、コロアン島の間では渡し船が運航されていたが、1974年のマカオ半島とタイパ島を結ぶカルヴァーリョ総督大橋の開通をきっかけにバス輸送に移行したことを受け、廃止となった。

12月3日のマカオ立法会において、マカオ政府社会文化庁のアレクシス・タム(譚俊榮)長官から社会文化領域に関する2016年度施政方針政策の説明を行った際、観光客に向けた新たなアトラクションとして、マカオ半島とタイパ島、コロアン島を結ぶ渡し船の再開を計画していることを明らかにした。混雑が深刻化しているマカオ半島旧市街地周辺からの旅客の分散を図る狙いもあるという。渡し船の復活が実現すれば、およそ40年ぶりとなる。

渡し船時代を知る人に話を聞くと、香港のスターフェリーに似た上下2層のものなど船のタイプは複数あり、所要時間はマカオ半島からタイパ島まで約20分、コロアン島まで約30分程度だったという。

マカオのお隣の香港では、ヴィクトリアハーバーを隔てた香港島と九龍半島を結ぶ渡し船、スターフェリーが香港を代表する観光アトラクションとして高い人気を誇る。

マカオ鳥瞰写真。手前のマカオ半島から3本の橋でつながっているのがタイパ島(資料)=2015年4月撮影(写真:GCS)

マカオ鳥瞰写真。手前のマカオ半島から3本の橋でつながっているのがタイパ島(資料)=2015年4月撮影(写真:GCS)


かつてマカオ半島との間を往来する渡し船が発着したコロアン島の船着き場は現在も往時の姿を残す=2013年10月本紙撮影

かつてマカオ半島との間を往来する渡し船が発着したコロアン島の船着き場は現在も往時の姿を残す=2013年10月本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は6月30日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  2.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2025年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は6月30日、今年(2025年)3〜5月期の雇用統計を公表…
  4.  中国では、東京電力福島第一原子力発電所からの「ALPS処理水」の海洋放出をきっかけに、2023年…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は6月26日、中国旅遊研究院が発表した「2024年中国ツーリストアウ…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  3.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun