マカオの世界遺産・盧家屋敷、しばらく一般公開中止

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。

マカオ政府文化局は2月5日、そのうちのひとつにあたる「盧家屋敷」について、しばらくの間、一般公開を中止することを発表した。

前日、隣接する建設現場の壁面が崩落し、建物の一部に影響が及んだため。現場を視察した文化局の呉衛鳴局長によると、盧家屋敷の建物の破損状況はそれほど深刻なものではないというが、各種点検作業が完了し、安全が確認された時点で一般公開を再開する予定とのこと。なお、具体的な再開時期は未定。

マカオでは、春節(旧正月)の観光ピークシーズンを迎えるが、盧家屋敷で開催を予定していた手工芸イベント等は、会場を葉挺將軍故居に変更して実施するという。

盧家屋敷は清朝末期のマカオで金融業、中国式ロトの経営などで成功を収めた豪商、盧華詔ファミリーの邸宅跡で、1889年に完成しとされる。典型的な広東スタイルの2階建て住宅建築だが、ステンドグラスなど西洋の建築文化が随所に採用されている。

マカオの世界遺産・盧家屋敷の建物内部(資料)—本紙撮影

マカオの世界遺産・盧家屋敷の建物内部(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は1月17日、コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設ショッピングモール内にある3…
  2.  観光都市マカオにとって、農暦新年(春節/旧正月)シーズンは年間最大の書き入れ時のひとつに数えられ…
  3.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、昨年(2024年)のマカオにおける…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は1月16日、同日マカオ半島の新橋エリアにある衣料品店1軒に対し、著名ブラ…
  5.  資金洗浄(マネーロンダリング)やテロ資金供与の抑止及び取り締まりを担うマカオ警察総局金融情報弁公…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年1月号
(vol.139)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun