マカオ、H7N9鳥インフルの密接接触者が強制隔離解除求め提訴

今月(2月)3日にマカオの公設市場で実施した家禽類のサンプル検査の結果、一部からH7N9型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が検出されたことを受け、マカオ政府衛生局は当該家禽類を販売していた店舗の関係者の男女3人を密接接触者と認定し、10日間指定地点に隔離して医学観察下に置くことを相次いで通告した。

衛生局が2月10日に行ったプレス発表の内容によると、3人はいずれも隔離を拒否したことから、伝染病予防法に基づく措置の妥当性について初級裁判所に判断を仰ぎ、2月6日、7日に相次いで同局の決定に同意を得る判決が出されたが、隔離対象者のうち1人がその後の複数回の検査で陰性だったことなどを理由にこれを不服とし、中級裁判所へ隔離解除を求める提訴を行ったとのこと。

2月9日、中級法院の合議審は全員一致で初級法院による判決内容を維持する決定を下し、隔離対象者の訴えを退けた。判決書では、同ウイルスがもたらす疾病は死亡率が高く、一般の人々に危害が及ぶ恐れがあり、潜伏期間も存在するとした上、隔離対象者の個人利益が損なわれることになるが、公共衛生、社会、経済的総体利益を考慮した場合、仮に検査結果が陰性であったとしても、一個人の自由を10日間犠牲にする必要性があるとの判断が示されたという。

衛生局は、隔離措置が感染拡大リスクを抑える重要手段のひとつであることを強調。裁判所の下した判決内容を歓迎するとした。

H7N9型鳥インフルエンザウイルスの検査で陽性反応が出た直後、マカオ政府民政総署は卸売市場の食用家禽フロアを閉鎖し、全量殺処分及び消毒を実施した=2月3日(写真:GCS)

H7N9型鳥インフルエンザウイルスの検査で陽性反応が出た直後、マカオ政府民政総署は卸売市場の食用家禽フロアを閉鎖し、全量殺処分及び消毒を実施した=2月3日(写真:GCS)

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