マカオでアジア初の大型ナイトライフ&エンターテイメント見本市開催…16年5月=モナコで成功の「MICS」を誘致

マカオといえば、かつては東洋のモンテカルロ、最近ではアジアのラスベガスと呼ばれるカジノのイメージが強い観光都市だ。

マカオのカジノ売上が本家ラスベガスを抜き世界一となったのは2007年のこと。その大きな原動力となったのが、2002年のカジノ経営ライセンスの対外開放だ。以後、ラスベガスや香港といった海外資本による大型IR(統合型リゾート)プロジェクトのオープンラッシュが続いており、現在進行形で華やかなレジャー・エンターテイメントの街へと進化を遂げている。

マカオのカジノは基本的に24時間営業であることから眠らない街とも称され、ナイトライフが充実していることで知られる。昨年(2015年)10月、スペイン・イビザ島発祥の老舗クラブ「パチャ」がマカオの大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ内に進出したというニュースも記憶に新しいが、近年のカジノ市場の拡大とともに、マカオでは本格的なクラブやディスコのオープンが相次ぎ、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)シーンが盛り上がりをみせている。

マカオのIRスタジオ・シティ内にオープンした「パチャ マカオ」内観イメージ(写真:Pacha Macau)

マカオのIRスタジオ・シティ内にオープンした「パチャ マカオ」内観イメージ(写真:Pacha Macau)

昨年5月、マカオで開催されたアジア最大のカジノ見本市「G2Eアジア」の会場の一角に、2010年からモナコで開催されている欧州初のナイトライフとエンターテイメント産業にターゲットを絞った見本市「MICS(モナコ・インターナショナル・クラビング・ショー」のマカオ版として「MICSマカオ」コーナーが登場し、同ジャンルの大型見本市としてはアジア初となったことから、来場者や業界関係者の間で大きな注目を集めた。

同イベントを誘致した展示会大手のリードエグジビション社によると、テストと位置付けた前回の反応が良く、今年(2016年)はG2Eアジアの併設展として単独開催することが決まったとのこと。

第1回MICSマカオの会期は2016年5月18日から20日まで、会場はマカオ最大規模のIR施設、ヴェネチアンマカオで開催予定。業界の最新製品やトレンドが一堂に会する展示会のほか、夜間にはマカオ最大規模のクラブとして人気を誇るクラブ・キュービックで海外の有名DJによるクラブイベントも開催するという。

会期中、マカオ及び周辺各国・地域から商業施設購買及び技術担当者、飲料販売業者、バーテンダー、イベントエージェントら有力バイヤーを中心とした業界関係者3000人以上の来場を見込んでおり、アジアでは他に類を見ない貴重なビジネスマッチングの場を提供できるとのこと。主催者に日本について聞くと、日本メーカーのビール、日本酒、焼酎、エナジードリンクといった商品群に対するバイヤーの興味関心が高いとし、アジア市場にアピールするチャンスだとコメントを寄せた。日本企業からの出展問い合わせ等についてはリードエグジビション社の日本オフィスにあたるリードISGジャパン(電話:03-6261-2996)が日本語でサポートを提供するなど、受け入れ体制も万全という。

カジノ業界だけではなく、今後、マカオがアジアのナイトライフとエンターテイメント業界のビジネスハブとして脚光を浴びることが期待される。

2015年にマカオのIRシティ・オブ・ドリームズ内「クラブ・キュービック」でテスト開催されたMICSマカオ「DJフェスティバル」会場イメージ(写真:Macau International Clubbing Show)

2015年にマカオのIRシティ・オブ・ドリームズ内「クラブ・キュービック」でテスト開催されたMICSマカオ「DJフェスティバル」会場イメージ(写真:Macau International Clubbing Show)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun