国際カジノ大手LVS、マカオ部門減収減益も平場の伸長続く=16年Q1業績

米国、マカオ、シンガポールでカジノIR(統合型リゾート)を運営する米ラスベガスサンズグループ(LVS)は4月21日、今年第1四半期(2016年1〜3月期)の業績を公表。

マカオ事業部門にあたるサンズチャイナの米国会計基準における今年第1四半期の売上高は前年同期比7.9%減の16.3億米ドル(日本円換算:約1782億円)、調整後EBITDAは2.5%減の5.17億米ドル(約565億円)、純利益は9.6%減の3.11億米ドル(約340億円)だった。

今年第1四半期のマカオ全体のカジノ売上は13.2%減の561.76億パタカ(約7686億円)だったことから、マイナス幅が1ケタ台のマイナスにとどまったことで、市場における存在感を維持できたといえる。

LVSのシェルドン・アデルソン会長によれば、今年第1四半期のマスゲーミング(平場)の売上は14年第1四半期以来となる2期連続の増長を記録したという。マカオのサンズチャイナ傘下カジノ施設の1日あたりの平場の売上は連続5%増、旗艦施設ヴェネチアンマカオの1日平均ゲーミングテーブル売上は10%増となり、競争が激化する市場において健闘しており、良好な状態にあるとの見方を示した。

LVSは米国ネバダ州ラスベガスに本拠地を置く米国最大のカジノ運営企業。同グループの売上の大部分を占めるのがマカオで、サンズマカオ、ヴェネチアンマカオ、ザ・プラザ・マカオ、サンズコタイセントラルの大型IR(統合型リゾート)を複数運営しており、カジノ経営ライセンスを保有する6陣営の中でトップシェアを誇る。今年下半期には新IR、パリジャンマカオのオープンも控える。このほか、シンガポールにマリーナベイサンズを展開する。

マカオ全体の月次カジノ売上は、2014年6月から今年3月まで22ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。一方、平場については比較的堅調に推移している。

サンズチャイナのIR、手前がザ・プラザ、奥がヴェネチアンマカオ(資料)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

サンズチャイナのIR、手前がザ・プラザ、奥がヴェネチアンマカオ(資料)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

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