マカオ政府、カジノ一辺倒からの脱却目指し数値目標設定へ=5ヶ年発展計画草案公表

マカオ特別行政区政府は4月26日、2016年から2020年までの「5ヶ年発展計画」草案を公表。今後2ヶ月にわたってパブリックコンサルテーション(意見公募手続き)を実施する。マカオ政府が5ヶ年計画を打ち出すのは1999年のポルトガルから中国への返還以降、今回が初めてのケース。

草案では、最終的な目標を「世界におけるツーリズム(観光)とレジャーの中心を目指す」とし、これを実現するための7大目標が掲げられている。

中でも、特に大きな注目を集めたのが「カジノ」に関する部分だ。まず、ゲーミング(カジノ)業を「長い歴史と特色を有するマカオの基幹産業のひとつであり、健康的な発展を推進する必要がある」と定義し、「適切な規模、ルールに則った管理、持続的発展」及び2013年に示された10年間のカジノテーブル台数の平均増加率を3%以内に抑制する政策を堅持することを再確認。その上で、官民の協力で2020年までにカジノライセンスを保有する6社のノンゲーミング(非カジノ)部門の売上が売上高に占める割合を2014年実績の6.6%から9%以上にするとした。カジノ一辺倒からの脱却を目指すマカオ政府だが、ノンゲーミング部門の売上比率に関して具体的な数値目標の設定にまで踏み込んだのも今回が初めてとなる。

マカオのカジノ売上は21世紀に入って以降、右肩上がりの成長が長く続いてきたが、2014年6月から今年3月まで22ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。一方、マスゲーミング(平場)については比較的堅調に推移している。カジノ売上は下落している中、訪マカオ旅客数は安定しているため、カジノ運営企業ではより広い層がターゲットとなるマスゲーミング部門を重視する姿勢を打ち出しており、今回政府が掲げた目標と方向性で一致する。

カジノに関するものでは、上記の数値目標のほか、大学卒業未満の学歴を有するカジノ運営企業の従業員の比率を2014年の80%から2020年に76%とする、マカオ人従業員の中級、高級管理職への登用比率を同80.8%から85%にすることにも言及している。現状、マカオではマカオ人のみがカジノディーラーになる資格を有するが、この政策についても堅持する方針が示されている。

マカオ特別行政区「5ヶ年発展計画」草案テキスト=2016年4月26日(写真:GCS)

マカオ特別行政区「5ヶ年発展計画」草案テキスト=2016年4月26日(写真:GCS)

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