マカオのカジノ売上、緩やかな回復続く…2022年頃に過去最高水準まで戻す=金融大手CLSA見通し

マカオでは5月17日にアジア最大規模のカジノ見本市「G2E(グローバル・ゲーミング・エキスポ)アジア2016」が開幕。同日開催された業界関係者向けセミナーに国際金融大手CLSAのコンシューマー・ゲーミング(カジノ)リサーチ部門総監、アーロン・フィッシャー氏が登壇し、マカオのカジノ市場の今後の見通しについて講演を行った。

フィッシャー氏によれば、昨年(2015年)対前年34%もの大幅なマイナスを記録したマカオの年間カジノ売上について、今年(2016年)も対前年で1%程度のマイナスとなるものの、来年(2017年)には上昇に転じるとの予測。また、その後は緩やかな回復になるだろうとし、過去最高となる3600億パタカ(日本円換算:約4.9兆円)を記録した2013年水準にまで戻すのは2022年または2023年頃との見通し。

かつてマカオのカジノ売上は大半をVIPルームに依存してきたが、近年ではマスのシェアが急拡大している。フィッシャー氏はマカオでは今後もマスをターゲットとした大型IR(統合型リゾート)の開幕が相次ぐことから、2020年にもマスの売上がVIPルームを上回るとの予想を示した。具体的には、マカオのカジノ売上に占めるマスの比率は2012年の27%から2020年には58%に達するとしている。

マカオは面積約30平方キロ、人口約64万人の小さな街だが、海外(中国本土、香港、台湾を含む)から年間3000万人を超える旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られる。市内には大小合わせて36軒のカジノ施設が建ち並び、ラスベガスを大きく上回る世界一のカジノ売上規模を誇る。

アーロン・フィッシャー氏(資料)=2016年1月、マカオー本紙撮影

アーロン・フィッシャー氏(資料)=2016年1月、マカオー本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は5月2日、各イミグレーション施設で手荷物検査の強化を図り、違法な運搬活動…
  2.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  3.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区で…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は5月2日夜、マカオ域内で今年(2024年)2人目の輸入性デング熱感染…
  5.  澳門海關(マカオ税関)は4月30日、同月29日にマカオ半島北部・關閘エリアの商業ビル、如意閣商場…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun