マカオでヒトへの鳥インフル感染確認=患者は広東省でニワトリ飼育の72歳女性

マカオ政府衛生局は1月12日深夜に緊急記者会見を開き、マカオで輸入性の鳥インフルエンザ(H7N9型)感染が確認されたことを明らかにし、市民に対して予防策を講じるよう呼びかけた。

患者は平時は中国・広東省中山市にクラス72歳のマカオ永久居留権保有者の女性で、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を持っているという。今月8日に発熱や咳の症状が出たことから同市内の医療機関に入院し、9日に退院。10日に家族が自家用車でマカオとの陸路の玄関口に当たる珠海市の拱北イミグレーションまで送り、車椅子でマカオ側の關閘イミグレーションまで移動した後、救急車を呼んで仁伯爵綜合医院の救急外来を受診した。この際、患者は生きた家禽との接触歴があることを話さなかったことから肺炎と診断され、同医院に入院。その後、患者の鼻咽頭の分泌物サンプルを公共衛生研究所で検査したところ、12日になってH7N9鳥インフルエンザウイルスに陽性反応を示したことが確認された。目下、患者は発熱がみられるものの、病状は安定しており、同医院の隔離病棟で治療を受けているという。

なお、鳥インフルエンザ感染が確認された後、医療スタッフの質問に対して中山市の自宅でニワトリを飼育していること、日頃から生きた家禽を取り扱う市場に出入りしていたと話したという。

マカオ政府衛生局による緊急記者会見の様子=2017年1月12日(写真:GCS)

マカオ政府衛生局による緊急記者会見の様子=2017年1月12日(写真:GCS)

流行疫学調査の結果、43人の密接接触者と23人の一般接触者が確認され、大半が患者の家族、患者を搬送した救急隊員及び仁伯爵綜合医院の関係者だった。患者と最後に接触した日から10日間のマスク着用と医療観察を受ける。また、密接接触者については、タミフルを5日間服用するという。

衛生局疾病予防コントロールセンターの林松主任は、今後2〜3月が鳥インフルエンザの流行ピークにあたり、マカオでも輸入性事案が増える可能性があるとした上、福建省、広東省、江蘇省といった多くの感染が確認されている場所を訪れる際には、一層の注意が必要であるとした。

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合医院(資料)—本紙撮影

マカオの公立大型総合病院、仁伯爵綜合医院(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  2.  マカオ治安警察局は7月26日、マカオ警察総局による指揮の下、マカオの良好な治安環境の保護・維持を…
  3.  ユネスコのアジア太平洋地域世界遺産研修研究所は7月23日、第46回国連大会が開催中のインド・ニュ…
  4.  マカオ司法警察局は7月25日、マカオで覚醒剤の密売したとしてタンザニア人旅客の20代の男を逮捕し…
  5.  マカオ治安警察局は7月25日、カジノ施設が集積するマカオ半島新口岸地区にあるスーパーマーケットで…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun