世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法」が2012年元旦から施行された。違反者には最高600パタカ（日本円換算：約8415円）の罰金が科せられ、マカオ政府衛生局（SSM）の法執行官（禁煙Gメン）が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

SSMが10月4日に発出したプレスリリースによれば、新禁煙法が施行された2012年元旦から今年（2017年）9月末日までの禁煙Gメンによる巡回場所は延べ154万0818箇所（1日平均延べ734箇所）、違反人数は延べ4万3279人に達したといい、愛煙家に対してあらためて法律を遵守するよう呼びかけた。

今年1月1日から9月30日の期間に限ると、禁煙Gメンによる巡回場所は延べ25万0280箇所（1日平均延べ917箇所）、累計違反件数は5337件だった。違反の内訳は、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が5327件、基準を満たさないパッケージの商品が10件。

違法喫煙行為の違反者のうち、男性が全体の93.8%を占める4996人、女性が6.2%の331人、マカオ市民が50.0%の2666人、海外（中国本土・香港・台湾含む）からの旅客が44.8%の2385人、海外労働者が5.2%の276人。取り締まりにあたって警察の協力を必要とした事案が141件あった。なお、罰金の納付率は85.3%。

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち（写真：SSM）

マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。

カジノ内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。今年1月1日から9月30日までの2部局による合同巡回場所は延べ484箇所、違法喫煙行為は613件あった。違反者は男性が全体の94.9%を占める582人、女性が5.1%の31人、海外からの旅客が84.2%の516人、マカオ市民が15.3%の94人、海外労働者が0.5%の3人。

マカオ政府はVIPルームについても、マスゲーミングフロア同様の喫煙ルームを設置するかたちでの禁煙化を実施する予定。このほか、増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられおり、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。

マカオのカジノ施設のマスゲーミングフロア（平場）に設置されている喫煙ルーム（資料）＝2015年5月—本紙撮影