マカオの悪質タクシー暗躍続く…10月の違反検挙数621件=ぼったくりと乗車拒否が全体の約92%、前月から大幅増

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は11月9日、今年(2017年)10月のタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。10月の特殊要因として、月初に中国の国慶節及び中秋節の大型連休があったこと、中旬に台風の接近により警報が発令され、公共路線バスの営業が一時ストップしたことが挙げられる。

今年10月のタクシーの違反検挙総数は前月から38.6%の大幅増となる621件で、このうちぼったくりが71.3%増の406件、乗車拒否が13.8%増の165件あり、検挙数全体の約92%を占めた。

今年1〜10月累計の違反総検挙数4402件で、このうちぼったくりが2571件、乗車拒否が1210件あり、検挙数全体の85.9%を占めた。

なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万4000円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。マカオ交通事務局は今年2月中旬、ドライバーに対して法律の規定通りに乗務記録をつけるよう呼びかけを行い、検査を厳格化する方針を示した。

また、今年10月のいわゆる白タクの検挙総数は30件で、3ヶ月ぶりに増加した。スマートフォン向けのアプリを使った配車サービスの検挙はゼロだった。マカオでは一昨年10月に世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」がサービスを開始したが、警察及び交通事務局が白タクにあたるとの見解を示して取り締まりの対象としていた。その後、Uberは今年7月21日をもってマカオでのサービス提供を停止している。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子=2017年10月15日(写真:マカオ治安警察局)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子=2017年10月15日(写真:マカオ治安警察局)

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