F3マカオGPの大クラッシュで重傷の17歳ドイツ人女性ドライバーの手術成功

去る11月18日午後に開催されたフォーミュラ3(F3)マカオグランプリ決勝レース中、ドイツ出身の女性ドライバー、ソフィア・フローレシュ選手(17)のマシンがリスボアベントと呼ばれる直角カーブ手前でコントロールを失い、ほぼトップスピードの状態で宙を舞い、コーナーのフェンスを突き破ってコース外に飛び出し、記者席に激突するクラッシュが発生。

このクラッシュで、フローレシュ選手のほか、巻き込まれた日本人の坪井翔選手(23)、マーシャル(レース係員)のマカオ人男性(34)、日本人の写真記者の男性(51)、中国本土出身のカメラアシスタントの男性(25)の計5人がマカオの公立総合病院、仁伯爵綜合醫院に搬送された。

マカオ政府衛生局(SSM)は11月19日夜に記者会見を開き、医師らが出席して5人の経過報告を行った。

同日、フローレシュ選手が同院で手術を受け、無事に成功し、術後の経過も順調とのこと。同選手は第7頚椎の破裂骨折で、骨片が脊柱管の8割を圧迫していたとのこと。同選手の頚骨は小さく、人工骨への置換が困難だったことから、脛骨の一部を移植したとした。手術は神経反応の確認など、慎重を期して通常より長い6〜7時間かけて行われたという。術後、同選手は整形外科に入院しており、手術終了直後の時点ではレーサーとして復帰できるほどまで運動能力が回復するかどうかの判断はできかねるが、物理治療を含むリハビリによって日常生活に支障のない程度の回復については楽観的な見方を示した。

マーシャルは頬骨の骨折及び頭部裂傷などで、皮膚の縫合手術を受けた後、整形外科に入院中。今後、2〜3日の経過観察が必要とした。中国本土出身のカメラアシスタントは、硬い物体が腹部に当たり、肝臓を損傷。ただし、重度のものではなく、外科手術の必要はないと判断され、保存療法で対処する方針で、経過観察のため1週間から10日間入院予定。坪井選手は目立ったケガもなく、検査を受けた後にすぐ出院。日本人写真記者は軽い脳震盪で、一晩経過観察を行った後、症状が改善したとして翌日出院したとのこと。

ソフィア・フローレシュ選手の手術を執刀した医師らが出席したマカオ政府衛生局による記者会見の様子=2018年11月19日(写真:SSM)

ソフィア・フローレシュ選手の手術を執刀した医師らが出席したマカオ政府衛生局による記者会見の様子=2018年11月19日(写真:SSM)

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