マカオ、カジノ運営会社の元社員と現職社員が組み不正行為…両替装い約3500万円分のチップ盗み出す

マカオ司法警察局は3月15日、カジノにおけるゲーミング(カジノ)チップ窃盗グループを摘発し、カジノ運営会社の元社員及び現職社員で、いずれもマカオ居民(マカオ居留権保有者)の男5人を逮捕したと発表。

今回逮捕されたのは、サーヴィランス(監視)部門の元社員1人(主犯格)、サーヴィランス部門の現職社員が各1人、元カジノディーラー2人、現職ディーラーが1人で、仲間とみられる男4人、女1人の容疑者が逃走中で、司法警察局が行方を追っているとのこと。

警察発表によれば、同月13日、カジノ運営会社から監視カメラ映像の確認時に不正行為があったとの通報を受け、捜査に着手。グループはサーヴィランス部門の現職社員による援護の下、現職ディーラーが担当するカジノテーブルにおいて、額面1万香港ドル(日本円換算:約14万円)のチップを1000香港ドル(約1.4万円)のチップ10枚に両替するように見せかけ、実際には1万香港ドルのチップ10枚=10万香港ドル(約142万円)分と交換していたという。

警察は14日に市内各所で容疑者の逮捕を逮捕。住居の家宅捜索で、多数の高級腕時計、宝飾品のほか、29万6000香港ドル(約421万円)の現金及び2万1000香港ドル(約30万円)分のチップが見つかった。

カジノ運営会社が警察に報告した被害額は約54万香港ドル(約767万円)というが、被疑者は警察の調べに対し、今年(2019年)1月以降、少なくとも20回はやったと供述しているといい、警察では被害総額は250万香港ドル(約3553万円)を上回る見込みとした。

なお、主犯格の男が盗んだチップを管理しており、1回あたりサーヴィランス部門現職社員には1万香港ドル、その他メンバーには2〜3万香港ドル(約28〜43万円)を成功報酬として分配していたという。

マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約142万円)以上の高額チップも存在する。

チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

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