マカオ、約2億4200万円分の偽造カジノチップ使用容疑で香港人の男3人逮捕…成功報酬目当てで現金化試みる

世界最大のカジノ売上を誇るマカオ。面積約30平方キロという小さな地域に大小およそ40軒のカジノ施設が軒を連ねる。

マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくゲーミング(カジノ)チップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。

チップはカジノフロアにあるキャッシャー(チップ交換所)カウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

マカオ司法警察局は4月5日、マカオ・コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設のカジノで巨額の偽造チップを使用したとして、香港人の36〜54歳の男3人を巨額詐欺容疑で逮捕したと発表。

警察発表によれば、被疑者らは同月4日午後2時頃、マカオ半島新口岸地区のカジノ施設内にあるVIPルームで偽造チップが使われ用としているとの情報をキャッチし、警察官を現場に派遣したとのこと。同日午後3時30分頃、男がキャッシャーに額面10万香港ドルのチップ170枚=計1700万香港ドル(日本円換算:約2億4200万円)相当を持ち込み、全額を額面100万香港ドルのチップに交換するよう要求。しかし、チップが粗雑な品質だったことに気付いたスタッフが検査を行ったところ、すべて偽造であると発覚し、上長を通じて警察に通報。警察官が現場に到着し、監視カメラ映像を確認したところ、チップ交換時に別の男2人が見張り役をしていたことがわかり、まとめて3人を逮捕したという。

警察の調べに対し、チップ交換を試みた男は香港で他人からマカオでチップを両替してくるよう依頼され、偽造であるとは知らず、8000香港ドル(約11万4000円)の成功報酬を得る約束だったと供述。見張り役の2人は関与を否認しているとのこと。警察では、今回逮捕した3人のほか、少なくとも5人が関わっているとし、行方を追うとともに、偽造チップの出所を捜査中とした。

なお、マカオでは3月28日にも偽造チップ使用事件があり、主犯格含むマカオ人の男女7人が逮捕されている。警察では、今回の事件との関連性、背後に同一の犯罪組織が存在するか否かについても調べを進めているという。

マカオにおいて同種の事件はしばしば発生しており、第三者からチップの現金化を依頼された場合、リスクを考慮する必要があるといえる。

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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