マカオ立法会で「反麻薬法」改正案可決…新たに21物質が管制リスト入り

マカオ立法会で5月8日、麻薬及び向精神薬の違法な生産、販売、使用を禁止する通称「禁毒法(反麻薬法)」の改正案が可決され、公布翌日から施行となる。

改正のポイントとして、新たに7種のフェンタニル物質類を含む19種の麻薬、向精神薬及び麻薬製造に用いられる2種の前駆物質が管制リスト入りした点が挙げられる。国連麻薬委員会が2017年の第60回、2018年の第61回会議において国際管制物質として定めたものをカバーする。

マカオ司法警察局は、9日午後にプレスリリースを発出し、局内において改正内容に合わせた法執行を進める準備は整っており、これから市民に対する周知を強化していくとした。

同局によれば、フェンタニル類物質は効果の高い麻薬性鎮痛薬として外科や産婦人科の臨床現場で使われているものだが、近年はこれを使って新型麻薬を生成する違法分子が出現し、強力な効果から人体への危険性が極めて高いとのこと。麻薬密売組織がコスト低減と効果増大を図るため、ヘロインやコカインにフェンタニルを混入させたものを売り出し、これを使用したものが死亡する事案も外地で発生しているという。

なお、昨年(2018年)に司法警察局が摘発した麻薬密売と使用事案は123件、逮捕者は200人で、前年から15.8%、25.1%のそれぞれ減だった。改正法施行により新たに21の物質が管制リスト入りするほか、取り締まりについても強化できることから、海外の麻薬取り締まり部門との情報交流と協力体制を維持し、マカオへの麻薬流入阻止に努めるとした。

反麻薬法改正案の審議及び採決に出席したマカオ保安庁の黄少澤長官(右)=2019年5月8日、マカオ立法会(写真:GCS)

反麻薬法改正案の審議及び採決に出席したマカオ保安庁の黄少澤長官(右)=2019年5月8日、マカオ立法会(写真:GCS)

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