マカオ税関が密航事案摘発…蛇頭と密航者の中国本土出身男女4人の身柄拘束

 澳門海關(マカオ税関)は8月31日、密航活動に対する取り締まりを強化して臨む中、同月31日に1件の密航事案を摘発し、海上及び沿岸で4人の身柄拘束に成功したと発表。

 31日午後、税関の沿岸巡視官がタイパ島北部沿岸を航行中の密航活動に関わっているとみられる不審船を発見。通報を受けた税関巡視艇が現場に向かったが、干潮時と重なり追跡できず、水上バイク部隊が出動して不審船の臨検を実施し、船内にいた密入境者とみられる女2人と船を操縦していた男1人の身柄の拘束に成功。また、税関職員が沿岸の陸地において、密出境しようとしていた女1人の身柄を拘束。その後の調べで、この女は密入境者であることが確認され、沖合にいた船と関係していたことも明らかとなった。

 税関が身柄を拘束した男女4人はいずれも中国本土出身で、船を操縦していた蛇頭の男を密航ほう助罪で送検したほか、密航者3人については、出入境管理を担当するマカオ治安警察局へ移送済みとした。

 マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

税関が8月30日午後に身柄を拘束した蛇頭及び密航者(写真:澳門海關)

税関が8月30日午後に身柄を拘束した蛇頭及び密航者(写真:澳門海關)

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