マカオ当局、空港に続きカジノ施設でも防疫対策強化…中国・武漢市で原因不明の肺炎患者連続発生受け

 マカオ政府衛生局(SSM)は1月2日、近日、中国湖北省武漢市の海鮮市場関係者を中心に原因不明のウイルス性肺炎の発症が相次いでいることを受け、ギャンブル行政を管轄する博彩監察協調局(DICJ)の協力を得て、カジノ運営企業代表者らを対象とした防疫対策関連会議を招集したと発表。

 マカオでは、まもなく春節(旧正月)シーズンを迎え、例年通り、特に中国本土からのインバウンド旅客が多数を占めると予想されている。SSMでは、伝染病の地域コミュニティへの蔓延を防止するため、多くの人が集まるカジノ施設を含む各方面からの協力が不可欠であるとし、カジノ運営企業に対して呼吸器系感染症に関する各種防疫対策の導入について要請を行った。

 具体的には、従業員に対する疾病予防に関する最新情報を共有する、従業員の健康状態に留意する、カジノ入口ゲートに発熱観測装置を設置して従業員及び客をモニタリングすることなどを挙げた。もし、発熱及び呼吸器系の症状を有する者を発見した場合には、マスクを着用し、すぐに医療機関を受診すること、施設内にいる人との密接な接触を避けるよう勧告すると同時に、聞き取り調査で症状が現れてから14日以内の武漢滞在歴が確認された場合には、消防局を通じて救急車を手配し、指定医療機関へ移送するよう求めた。

 会議に出席したDICJの陳達夫(パウロ・マルチンス・チャン)局長は、旅客及びカジノ従業員の安全が常に第一であるとの考えを示し、カジノ運営企業代表者に対してSSMの要請へ積極的に対応し、実施に移すよう呼びかけた。

 このほか、SSMでは1月1日からマカオ国際空港において、武漢から到着した航空機内に衛生局の職員が乗り込み、搭乗者全員に対する体温検査の実施を導入済み。現在、マカオと武漢の間には1日2往復の直行便が就航している。

マカオ衛生及びカジノ当局が招集した原因不明肺炎に対する防疫対策会議の様子=2020年1月2日(写真:SSM)

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