マカオのジャンケットプロモーター事業者数が7年連続減少…ピーク時半分以下の95に

 マカオのギャンブル規制当局にあたるDICJは1月30日、ジャンケットプロモーターライセンスを獲得した事業者の最新リストを公表した。同リストは年に一度、1月末から2月頭にかけて更新されているもの。

 最新版リストによる事業者数は前年から5減の95(法人が5減の85、個人事業主が横ばいの10)で、7年連続の減少。ピークだった2013年の事業者数213との比較で約55%減にとどまった。

 ジャンケットプロモーターはカジノVIPルームにギャンブラーを仲介する業務を手がける。

 なお、昨年(2019年)通期のマカオのカジノ売上は前年から3.4%減の2924.55億マカオパタカ(日本円換算:約3兆9910億円)で、3年ぶりに前年割れとなり、2年ぶりに3000億マカオパタカの大台を下回った。また、VIPルームのカジノ売上を反映するVIPバカラ売上についても18.6%減の1352.28億マカオパタカ(約1兆8454億円)だった。一方、マスゲーミング(いわゆる平場)のバカラ売上は17.9%増の1207.73億マカオパタカ(約1兆6481億円)。マスのバカラ売上は2015年から5年連続の伸長。

 かつて、マカオのカジノ売上の大半をVIPルームが占めたが、近年はマス(平場)の占める割合が上昇している。昨年通期のカジノ売上に占めるVIPルームの割合は約46.2%で、前年から8.6ポイント下落。

 昨年1月1日からカジノフロア内の全面禁煙化が実施され、これまでハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームは分煙だったが、同日以降は所定の喫煙ルーム内のみで喫煙が認められるかたちとなり、プレイしながら喫煙することが不可能となった。これによって、一部のギャンブラーがマカオ以外に流出した可能性があるとし、通期のカジノ売上のマイナスと因果関係を指摘する見方もある。また、マカオパタカは香港ドルを通じて米ドルと為替連動しているが、対ドルの人民元安も進んでいる。今年に入って以降、特にカジノにとって書き入れ時となる春節ゴールデンウィークにかけて新型コロナウイルスによる肺炎(いわゆる武漢原因不明肺炎)の影響で中国本土からの入境旅客数が大幅に減少しており、当面の間のカジノ売上に与えるインパクトも大きいとみられる。

新型コロナウイルス防疫対策としてカジノ入口で実施されている体温検査の様子(写真:DICJ)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府財政局(DSF)が7月1日に公表した最新統計によれば、今年(2025年)6月前半の住宅…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ司法警察局は6月30日、客との共謀による不正行為でカジノ運営企業からゲーミング(カジノ)チ…
  4.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2025年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…
  5.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は6月30日、今年(2025年)3〜5月期の雇用統計を公表…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  4.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  5.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…

イベントカレンダー

7月 2025
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
« 6月   8月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年7月号
(vol.145)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun