マカオ、1月1〜30日のカジノ売上は前年同時期から約1割減…新型コロナウイルスによる旅客減の影響下

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 近日、訪マカオ旅客数は急減している。春節ゴールデンウィーク(GW)7日間(1月24〜30日)の累計では、インバウンド旅客総数が前年の春節GWから78.3%減の26万1069人、中国本土旅客に限ると83.3%減の14万9244人にとどまった。

 マカオに大小合わせておよそ40軒あるカジノ施設では、防疫対策強化を進めた上で、これまでのところ全施設で通常通りの24時間営業を継続している状況(ただし、イベント等は多くが中止)だ。旅客減に伴うカジノ売上へのインパクトがどの程度になるか、大きな注目が集まっている。

 1月31日夕方開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターによる定例記者会見の中で、李偉農経済財政庁長官が最新のカジノ売上の状況について明らかにした。李長官によれば、1月1日から30日までのマカオのカジノ売上は213.7億マカオパタカ(日本円換算:約2911億円)で、前年同時期から10〜11%の減とした。

 また、今後の見通しについては、現時点で政府は流行状況の管理及びモニタリングに最優先で取り組んでいるとした上、状況が落ち着き、周辺環境が好転した場合、マカオが最も早く経済回復を実現できる都市のひとつになるだろうと述べた。

 マカオでは1月27日からマカオと中国本土との主要な陸路の玄関口にあたる關閘イミグレーションの通関時間が3時間短縮したほか、武漢市含む湖北省からの入境制限(過去14日以内に武漢市含む湖北省滞在歴のあるマカオ人以外に合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出を必須化)やマカオ滞在中の武漢市含む湖北省からの旅客に対する強制隔離(速やかに中国本土へ戻るか、マカオ残留を希望する場合は滞在許可期限あるいは旅程の終了まで集中統一管理下に置かれ、隔離施設に収容されること受け入れるかの選択)といった感染集中発生エリアと関係が深い人に対する防疫措置が講じられている。中国当局はすでにマカオを含む海外団体旅行を禁止、中国本土からのマカオ行き個人旅行許可の新規発給についても一時停止を明らかにしており、今後しばらくの間、訪マカオ旅客数は相当の減少が見込まれる。

マカオのカジノ施設における従業員のマスク着用状況(写真:DICJ)

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