マカオ、20年1月のカジノ売上3012億円…対前年11.3%減=新型コロナウイルスによる旅客減の影響下

 マカオ政府博彩監察協調局は2月1日、今年(2020年)1月のマカオの月次カジノ売上について、前年同月から11.3%、前月から3.1%のそれぞれ減となる221.26億マカオパタカ(日本円換算:約3012億円)だったとする最新統計を公表した。

 主なマイナス要因として、新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)による旅客減が挙げられる。1月下旬に中国本土で大型連休となる春節ゴールデンウィークがあり、本来ならば書き入れ時となるはずだった。

 マカオ政府旅遊局公表資料によれば、春節ゴールデンウィーク(GW)7日間(1月24〜30日)の累計では、インバウンド旅客総数が前年の春節GWから78.3%減の26万1069人、中国本土旅客に限ると83.3%減の14万9244人にとどまった。

 マカオに大小合わせておよそ40軒あるカジノ施設では、防疫対策強化を進めた上で、これまでのところ全施設で通常通りの24時間営業を継続している状況(ただし、イベント等は多くが中止)だ。

 マカオでは1月27日からマカオと中国本土との主要な陸路の玄関口にあたる關閘イミグレーションの通関時間が3時間短縮したほか、武漢市含む湖北省からの入境制限(過去14日以内に武漢市含む湖北省滞在歴のあるマカオ人以外に合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出を必須化)やマカオ滞在中の武漢市含む湖北省からの旅客に対する強制隔離(速やかに中国本土へ戻るか、マカオ残留を希望する場合は滞在許可期限あるいは旅程の終了まで集中統一管理下に置かれ、隔離施設に収容されること受け入れるかの選択)といった感染集中発生エリアと関係が深い人に対する防疫措置が講じられている。中国当局はすでにマカオを含む海外団体旅行を禁止、中国本土からのマカオ行き個人旅行許可の新規発給についても一時停止を明らかにしており、今後しばらくの間、訪マカオ旅客数は相当の減少が見込まれ、カジノ売上へのインパクトがどの程度になるか、大きな注目が集まっている。

新型コロナウイルス防疫対策としてカジノ入口で実施されている体温検査の様子(写真:DICJ)

 マカオの月次カジノ売上は2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続で前年割れだったが、2016年8月から2018年12月まで29ヶ月連続で対前年プラスを維持。その後、2019年は1、3、4、7、8、10、11、12月がマイナス、2、5、6、9月がプラスだった。

 なお、昨年(2019年)通期のカジノ売上は対前年3.4%減の2924.55億マカオパタカ(約3兆9814億円)。3年ぶりに前年割れとなり、2年ぶりに3000億パタカの大台も下回った。

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