マカオ、20年第1四半期の旅客総消費額が7割減の約674億円に…1人あたり平均は4.8%減の約2.1万円で6四半期連続マイナス

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 昨年(2019年)通期の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は3940万6181人で、前年から10.1%増。このうち中国本土旅客は10.5%増の2792万3219人で、全体の70.9%を占めた。年間訪マカオ旅客数が3000万人の大台を突破するのは6年連続のこと。ただし、今年は1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環で入境制限が講じられた影響でインバウンド旅客数は激減している。

 マカオ政府統計調査局は5月20日、今年第1四半期(2020年1〜3月期)の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)結果を公表。第1四半期のインバウンド旅客数が前年同時期から68.9%減の321万9170人にとどまったことを受け、旅客総消費額も70.4%減となる50.1億マカオパタカ(日本円換算:約674億円)に。内訳は宿泊を伴う旅客が70.8%減の37.8億マカオパタカ(約509億円)、日帰り旅客が69.3%減の12.3億マカオパタカ(約166億円)。

 旅客1人あたりの平均消費額は4.8%減となる1555マカオパタカ(約2万0930円)で、6四半期連続のマイナス。内訳は宿泊を伴う旅客が9.0%減の2484マカオパタカ(約3万3440円)、日帰り旅客は1.6%増の723マカオパタカ(約9730円)。また、国・地域別では中国本土旅客が3.2%減の1789マカオパタカ(約2万4080円)、中国本土の個人旅客に限ると6.8%減の2159マカオパタカ(約2万9060円)だった。

 消費分類別では、ショッピングが全体の43.3%、宿泊が27.4%、飲食が22.9%を占めた。渡航目的別ではコンベンション・エキジビション参加を目的とした旅客の1人あたり平均消費額が最も高かったものの、30.6%減の3024マカオパタカ(約3万0710円)にとどまった。ショッピング目的は4.5%減の2434マカオパタカ(約3万2770円)、リゾートステイ目的は2.7%増の2230マカオパタカ(約3万0020円)。

 なお、統計調査局では新型コロナウイルス防疫対策に伴い2月の旅客消費調査を中止したため、今回の調査結果は1月及び3月に収集したデータを基に推計したものとのこと。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年4月13日本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は7月26日、同局の管轄下にある特警隊が同月27日午前9時から正式にタイパ島北安…
  2.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は7月25日、今年第2四半期…
  3.  マカオ・コタイ地区にある東亜運動会体育館(通称:マカオドーム)で7月26日午後、マカオ警察総局と…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は7月26日、今年第2四半期(2024年4〜6月期)の雇用…
  5.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年8月号
(vol.134)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun