マカオ、47日連続で新型コロナ新規感染確認なし…入院患者ゼロ状態維持

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは5月25日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は4月8日のことで、47日連続で新規感染確認ゼロとなり、2〜3月中旬にかけて達成した「40日連続」の記録を更新中。輸入関連性症例に限ると58日連続ゼロだった。

 また、これまでの累計感染確認者数(入院)は45人(輸入性症例43人、輸入関連性症例2人)で、5月19日までに全員が治癒し退院済み。死亡例もゼロを達成している。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。市中感染も発生していない。

 マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足した状態で乗り切ることに成功。院内感染例もなかった。

 マカオで新型コロナ入院患者がゼロ状態となったのは3月7〜14日以来の2度目のこと。前回は武漢からの旅客らの退院と流行が欧米やアジア各地へ拡大したことを受けての帰国ラッシュの狭間にあたる時期だった。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年5月25日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例で実施している市民への現金配布の前倒し実施や電子商品券の配布といった民生、経済支援対策も実施している。

 マカオ政府はタイパフェリーターミナル内に常設の新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)スポットを設置している。開設当初は政府が規定した検査対象者(広東省との間で越境通勤、通学する学校教員と生徒など)に絞っていたが、その後、全マカオ居民に開放された。タイパフェリーターミナルは人口が多いマカオ半島の市街地中心部から離れた立地にあり、マカオ半島側に検査スポットの設置を求める声もあったという。政府新型コロナウイルス感染症対策センターは25日の記者会見の中で、65歳以上、18歳以下、身体障がい者あるいは要介護のマカオ居民について、マカオ半島の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)でも検査を受けられるように変更したことを明らかにした。なお、検査料金は政府規定の検査対象者が無料、一般の検査希望者は初回のみ無料で、二回目以降は180マカオパタカ(日本円換算:約2400円)/回。検査結果の有効期間は7日間となっている。直近2日の検査人数については、23日が1055人、24日が908人だったとのこと。

タイパフェリーターミナル内に設置された常設の新型コロナウイルス核酸検査スポット(写真:GCS)

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