マカオ、カジノディーラーが勤務先からチップ持ち出し逮捕…落として発覚、動機は経済的困難

 マカオ司法警察局は12月7日、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)のカジノ施設に勤務するマカオ人のカジノディーラー職の男(33)について、勤務先からを持ち出したとして信任乱用罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 警察発表によれば、同月4日にカジノ施設のサーベイランス部門から「ディーラー職の男が11月11日にゲーミングテーブルを担当していた際、テーブル上のチップ置き場にあった額面1万香港ドル(日本円換算:約13.4万円)相当のゲーミング(カジノ)チップ1枚を持ち出した」とする通報があったという。

 この施設に勤務する別のスタッフがフロアにチップが落ちているのを発見し、上司に報告。サーベイランス部門が監視カメラ映像を確認したところ、被疑者がチップをズボンの腰の部分に隠したが、シフト交代で持ち場を離れる際にチップが地面に落下し、気づかないふりをしてその場を離れたことが確認できたとのこと。その後、男は無給休暇に入り、当初の出社予定日に病気を理由に欠勤したことから、警察に通報するに至ったとした。

 通報を受けた警察は4日、男の自宅へ赴き、男を逮捕。男は警察の調べに対して犯行を認める供述をするとともに、動機については経済的困難に直面したためと説明しているとのこと。

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約134万円)以上の高額チップも存在する。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

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