マカオ、14日内に中国・大連市滞在歴ある入境者を隔離検疫対象に…中国本土との往来制限緩和進むも各種防疫対策機能、新規感染例ゼロ維持

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオでは、すでに6ヶ月以上にわたって新型コロナ新規確認例がなく、封じ込めに成功している状況。目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、中国本土でも状況が落ち着いていることから、7月中旬以降、両地間の往来制限が段階的に緩和された。9月下旬までに中国全土で訪マカオ許可(観光ビザに相当)の申請・発給が再開され、一部の中リスク地域を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明取得などの条件を満たせば隔離検疫なしでの往来が可能となっている。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受ける必要が生じる。近日、中国各地では散発的に市中感染例の出現が確認されており、中リスク地域の更新が相次いでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは1月3日、同日午前9時(マカオ時間、以下同)以降、遼寧省の大連市全域と北京市順義区仁和鎮を新たに中リスク地域に指定した。地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定されてきたが、大連市クラスの大都市全域が対象となるのは異例のこと。

 マカオ政府による1月3日午前9時時点の中リスク地域は下記の通り。

■北京市:朝陽区酒仙橋街道大山子社区、順義区南法信鎮/高麗営鎮/勝利街道/南彩鎮/仁和鎮
■遼寧省:大連市全域、瀋陽市于洪区陵街道/華潤橡樹湾/中海城、皇姑区基業百花園/化工小区/明廉街道、鉄西区北二東路沈鉄興工佳園小区
■黒竜江省:牡丹江市東寧市東寧鎮、綏芬河市、黒河市愛輝区
■新疆ウイグル自治区:トルファン市高昌区

 なお、マカオ政府は外国人の入境を禁止としている。昨今の変異種の出現などを受け、中国本土、台湾、香港居民についても直近21日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止となった。

 中国本土との往来制限緩和後もマカオでは新型コロナ新規感染確認ゼロを維持できており、各種防疫対策が機能しているといえる。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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