マカオ行政長官と政府高官らが春節ホリデー中の市内各地を視察…中小企業の経営状況や市民の就業環境に関心

 国際観光都市マカオにとって、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えているが、新型コロナウイルス感染症の流行長期化によって厳格な水際措置が維持されており、インバウンド旅客数の低迷が続く。

 マカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官(首長)と政府高官らは旧正月ホリデー期間中の4日間にわたって市内各地の視察を行った。

 視察先は社会福祉施設、卸売市場、警察・消防、大型インフラ建設現場、観光名所一帯、ダウンタウンの住宅街など広範に及んだ。

 マカオ政府の発表によれば、行政長官は社会的弱者の生活、輸入コールドチェーン食品に対するウイルス検査の流れ、警察・消防における防疫装備、大型インフラ工事の進捗状況、市内における中小企業のビジネス状況、市民の就業環境について関心を持っているとのこと。

 視察先では訪問先の職員や通行人らへ積極的に声をかけ、話に耳を傾けた。また、住宅街の視察中には喫茶店へサプライズ訪問し、コーヒーを飲みながらオーナーや居合わせた客らの話を聞くシーンもあった。

 目下、マカオにおける新型コロナの流行状況は落ち着いており、輸入性及び輸入関連性事例を除き、市中における感染確認に関しては2月15日まで323日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。

 一方で、中国本土からのインバウンド旅客の回復スピードは緩やかで、インバウンド依存度の高いマカオ経済にとっては依然として厳しい状況が続いている。コロナ前におけるマカオの総インバウンド旅客数に占める中国本土旅客の割合は約7割。

マカオの観光名所一帯を視察する賀一誠マカオ行政長官ら=2021年2月16日(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月30日、中国本土の警察当局と連携し、「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニン…
  2.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  3.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は5月1日、今年(2024年)4月の月次カジノ売上(粗収益、…
  4.  マカオでは例年通り5月1日に海開きを迎えた。10月31日までがマカオの遊泳シーズンとなる。 …
  5.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土で5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴー…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun