マカオ、春節GW6日目までの累計インバウンド旅客数68.2%減…中国本土旅客に限ると6日目にして初めて前年上回る

 新型コロナウイルス感染症の世界的流行が続く中、国際観光都市マカオでも厳格な各種防疫対策が維持されている。

 マカオでは、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えた。しかしながら、流行の長期化を受けて水際措置の強化が進んだことから、インバウンド旅客数は流行初期にあたる昨年(2020年)の同シーズンよりも厳しい数字になるとみられる。

 なお、マカオと中国本土における流行状況は比較的早期に落ち着いたことから、昨年7月中旬以降、両地の往来制限は段階的に緩和されている。中国本土からのインバウンド旅客も戻りつつある状況だが、コロナ前と比較して手続きが煩雑化したことや、新型コロナウイルス陰性の取得が必要なったこともあり、そのペースは緩やかなものとなっている。また、この春節ホリデーについては、拡散予防策として地元で過ごすよう呼びかけも行われているため、大幅なインバウンド旅客の増加は期待できないとされる。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)では、中国本土で年に複数回ある大型連休にあたるゴールデンウィーク(GW)について、治安警察局提供資料を元に前年対比のインバウンド旅客数データを公表している。今年(2021年)の春節GWは大晦日にあたる2月11日から17日までの7日間で、比較対象は昨年(2020年)1月24日から30日まで。

 MGTOが公表した2月17日更新の最新データによれば、春節GW6日目(2月16日)の総インバウンド旅客数は前年の同日から33.5%減の1万4399人、中国本土旅客に限ると5.3%増の1万3110人だったとのこと。インバウンド旅客全体に占める中国本土旅客の割合は91.0%。総インバウンド旅客数、中国本土旅客数とも4日目までは増加が続いたが、5日目、6日目と2日連続減少。昨年は春節GWの途中から新型コロナの影響が本格的に生じたことで、特に中国本土旅客が激減したこともあり、対前年のマイナス幅は初日から縮小傾向が続き、中国本土旅客に限ると6日目にして初めて前年を上回った。

 春節GW6日目までの累計では、総インバウンド旅客数が68.2%減の7万7383人、中国本土旅客に限ると49.6%減の7万0336人、中国本土旅客の占める割合は90.9%。春節GWも残り1日間となったが、中国本土旅客がどこまで盛り返すかに注目される。

 マカオ域内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されたのは昨年(2020年)1月22日のこと。春節の2日前というタイミングで、各種防疫対策が本格的に講じられるきっかけとなり、政府主催の春節祝賀イベントも軒並み中止に。今年についても、規模の大きな春節祝賀イベントは中止となっている。

 マカオでは、輸入性及び輸入関連性事例を除き、市中における感染確認に関しては2月16日まで324日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月9日からは香港より先に新型コロナウイルスワクチン接種がスタートした。参考までに、マカオの人口は約68万人、面積は東京の山手線のおよそ半分にあたる約30平方キロメートル。

春節GW期間中のマカオ市街地の様子(資料)=2021年2月13日、世界遺産・聖ドミニコ教会前にて本紙撮影

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